家づくりで間取りやキッチンにこだわる方は多いですが、住み始めてからの快適さを一番左右するのは、実は「窓」です。「冬の朝、窓際がヒンヤリして寒い」「結露でカーテンがカビてしまった」という後悔は、新築でも珍しい話ではありません。
積水ハウスは「大開口」や「クリアビューデザイン」を得意としていますが、窓が大きくなればなるほど、断熱性能の確保は難しくなります。標準仕様のサッシで十分なのか、それともグレードアップすべきなのか、正しい知識を持って選ぶことが、一年中快適なリビングへの第一歩です。
この記事でわかること
- 積水ハウスの標準サッシ「超高断熱アルミ樹脂複合サッシ」の実力
- 他社ではオプション扱いが多い「防犯合わせガラス」の標準採用
- 断熱重視の「トリプルガラス」を採用すべき具体的なケース
- 日当たりや方角に合わせたガラスの種類(遮熱・断熱)の使い分け
積水ハウスの標準サッシ性能とは
ハウスメーカーによって窓の標準仕様は大きく異なります。積水ハウスの場合、デザイン性と断熱性を両立させるために、独自のサッシを採用しているのが特徴です。「アルミは寒い」「樹脂が良い」という単純な比較だけでは測れない、積水ハウスならではのこだわりを見ていきます。
超高断熱アルミ樹脂複合サッシ(SAJ/AJ)
積水ハウスで一般的に標準採用されているのは、室外側に耐久性の高いアルミ、室内側に断熱性の高い樹脂を使った「アルミ樹脂複合サッシ」です。「オール樹脂サッシじゃないの?」と不安になる方もいるかもしれませんが、積水ハウスの複合サッシ(SAJサッシなど)は、断熱材をフレーム内部に充填するなどの工夫が施されており、一般的な樹脂サッシに匹敵する高い断熱性能を持っています。
このサッシの最大のメリットは、フレーム(枠)をスリムにできることです。樹脂サッシは強度を出すためにフレームが太くなりがちですが、アルミ複合にすることで枠を細くし、ガラス面を大きく取ることができます。これが、積水ハウスが得意とする「天井まである大開口(フルフラットサッシ)」を実現できる理由です。
| サッシ種類 | 特徴 | メリット |
|---|---|---|
| アルミ樹脂複合 | 外アルミ・内樹脂 | 強度が高く枠がスリム |
| オール樹脂 | 内外ともに樹脂 | 断熱性が最強クラス |
| 木製サッシ | 木材を使用 | 質感と断熱性が高い |
1階は「防犯合わせガラス」が標準
積水ハウスの窓の大きな強みは、1階の窓(および2階のバルコニーに出入りできる窓)に「防犯合わせガラス」が標準装備されている点です。これは2枚のガラスの間に特殊な中間膜を挟み込んだもので、ハンマーで叩いても貫通しにくく、空き巣の侵入を大幅に遅らせる効果があります。
他社では数十万円の追加オプションになることが多いこの仕様が、最初からコミコミになっているのは大きな安心材料です。さらに、この中間膜には紫外線を99%以上カットする効果や、万が一割れた際の飛散防止効果もあるため、家具の日焼け防止や防災面でも優れた性能を発揮します。
| 機能 | 効果 | 一般的な扱い |
|---|---|---|
| 防犯性能 | 貫通を防ぎ侵入阻止 | 多くはオプション |
| UVカット | 紫外線99%カット | Low-Eガラスで対応 |
| 飛散防止 | 破片が飛び散らない | 防災ガラスとして |
ガラスの種類と選び方のポイント

サッシの枠だけでなく、中に入っている「ガラス」の選び方も快適性を大きく左右します。積水ハウスでは基本的に「遮熱断熱ペアガラス」が標準ですが、地域や部屋の用途に合わせてカスタマイズすることが、後悔しない家づくりの秘訣です。
トリプルガラスを採用すべきケース
標準のペアガラスでも十分な性能がありますが、寒冷地にお住まいの方や、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」を目指す場合は、ガラスが3層になった「トリプルガラス」へのグレードアップを検討すべきです。空気の層が2つになることで、断熱性能が格段に向上し、窓際の冷え込み(コールドドラフト現象)を劇的に抑えます。
また、温暖な地域であっても、北側の寝室や脱衣所など、日が当たりにくく寒くなりやすい場所にはピンポイントで採用するのも有効です。ただし、トリプルガラスは重量が増すため、引き違い窓の開閉が少し重くなる点には注意が必要です。
| ガラス種別 | 断熱性能 | おすすめの採用場所 |
|---|---|---|
| ペアガラス | 標準的 | LDK(温暖地) |
| トリプルガラス | 非常に高い | 北側の部屋・吹き抜け |
| 真空ガラス | 最強クラス | リフォーム等 |
「遮熱タイプ」と「断熱タイプ」の使い分け
Low-Eガラス(金属膜コーティングガラス)には、大きく分けて2つのタイプがあります。日射熱を遮る「遮熱タイプ」と、太陽の暖かさを取り込む「断熱タイプ」です。これらを方角によって使い分けることで、冷暖房効率が最適化されます。
基本的には、西日や強い日差しが入る南・西面には「遮熱タイプ」を選び、夏の暑さをカットします。一方、冬に貴重な太陽光を取り入れたい北・東面には「断熱タイプ(日射取得型)」を選ぶのがセオリーです。積水ハウスの設計士は敷地条件を読んで提案してくれますが、自分でも確認しておきましょう。
| タイプ | 機能 | 推奨方角 |
|---|---|---|
| 遮熱高断熱 | 日差しをカット | 南・西(夏対策) |
| 高断熱(取得) | 熱を取り込む | 北・東(冬対策) |
| クリア | 色味が自然 | 眺望重視の場所 |
後悔しないための窓選びチェックリスト

性能の良い窓を選んでも、配置や形状を間違えると住みにくい家になってしまいます。図面だけでは気づきにくい、実際の生活シーンを想定した注意点をまとめました。契約前の最終確認として活用してください。
大開口リビングと寒さ対策
積水ハウスの魅力である幅3メートル以上の大開口サッシは、開放感が抜群ですが、物理的に「壁」が減るため、どうしても断熱の弱点になりがちです。リビングに大開口を採用する場合は、必ず床暖房をセットで検討するか、断熱性能の高いハニカムシェードや厚手のカーテンを設置できる下地を用意しておくことが重要です。
視線と掃除のしやすさ
「明るい家にしたい」と窓を増やしすぎた結果、隣家の視線が気になって一日中カーテンを閉めっぱなしになる失敗例が後を絶ちません。高い位置に設置する「高窓(ハイサイドライト)」や、すりガラス(型ガラス)を上手く活用しましょう。また、2階の大きなFIX窓(開かない窓)は、外側の掃除が自分ではできないため、メンテナンス性も考慮する必要があります。
| 検討項目 | リスク | 対策 |
|---|---|---|
| 大開口サッシ | 冬場の冷気 | 床暖房・トリプルガラス |
| 隣地側の窓 | 視線が入る | 高窓・型ガラス |
| 2階FIX窓 | 掃除不可 | バルコニー付近に配置 |
よくある質問(FAQ)
- 標準のアルミ樹脂複合サッシで結露しますか?
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最近の高気密住宅では、ガラス面よりもサッシの枠部分に結露が生じることがあります。積水ハウスの複合サッシは断熱対策がされていますが、加湿器を過剰に使ったり、カーテンを閉め切ったりする条件下では、アルミ部分にうっすら結露することはあります。気になる方はオール樹脂への変更を相談しましょう。
- 防犯ガラスは割れないのですか?
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絶対に割れないわけではありませんが、バールなどで叩いてもヒビが入るだけで、貫通して穴を開けるには非常に時間がかかります。空き巣は「侵入に5分以上かかると諦める」と言われているため、防犯効果は極めて高いと言えます。
- 網戸は標準でついてきますか?
-
基本的に網戸は標準装備されています。積水ハウスの網戸は眺望を妨げないよう、網目が細かく黒色で目立ちにくいものが採用されています。引き違い窓以外(滑り出し窓など)にも、ロール式や固定式の網戸が設置されます。
まとめ
積水ハウスの窓は、標準仕様の段階で「防犯性」と「断熱性」が高いレベルでバランス良くまとまっています。特に1階の防犯ガラス標準は、家族の安全を守る上で非常に大きなメリットです。
- 標準の「アルミ樹脂複合サッシ」はスリムでデザイン性が高い
- 1階防犯ガラス標準はコストパフォーマンス最高の仕様
- 寒冷地や吹き抜け採用時はトリプルガラスへの投資を惜しまない
- 方角によるLow-Eガラスの使い分けで冷暖房効率を上げる
窓は一度設置すると交換が非常に難しいパーツです。デザインだけでなく、5年後、10年後の快適な暮らしを見据えて、納得のいく窓選びをしてください。
