「大手ハウスメーカーだから、現場監督に任せておけば安心」
そう信じて一度も現場に行かず、完成してから「コンセントの位置が違う」「壁の中にゴミが残っていた」といったトラブルに見舞われるケースはゼロではありません。積水ハウスの施工管理は業界でもトップクラスに厳格ですが、それでも実際に手を動かすのは人間です。
施主が定期的に現場に足を運び、「しっかりと見ている」という姿勢を示すことは、現場の緊張感を保ち、ミスを未然に防ぐ最大の抑止力になります。専門知識がなくても大丈夫です。これだけは見ておきたいというポイントを工程別に整理しました。
この記事でわかること
- 基礎工事で確認すべき「鉄筋の配置」と「コンクリートの天候」
- 鉄骨・木造それぞれの構造体における「ボルト・金物」のチェック法
- 完成すると見えなくなる「断熱材」の施工不良を見抜くコツ
- 施主検査(竣工立会い)で傷や汚れ以外に見るべき機能面
【基礎工事】コンクリートを流す前が勝負
家の土台となる基礎工事は、やり直しがきかない最重要工程です。コンクリートを流し込んでしまうと中の鉄筋は見えなくなってしまうため、その前のタイミングでの訪問が推奨されます。
配筋(鉄筋)のピッチとゴミの有無
基礎の鉄筋が図面通りの間隔(ピッチ)で組まれているか、メジャーを当てて確認するふりをするだけでも効果があります。また、型枠の中に空き缶やタバコの吸い殻、落ち葉などのゴミが落ちていないかを必ず目視してください。異物が混入したままコンクリートを打設すると、将来的なクラック(ひび割れ)や強度不足の原因になります。
アンカーボルトの位置と傾き
基礎と建物をつなぐ「アンカーボルト」が、基礎の中心にまっすぐ設置されているか確認します。これが傾いていると、土台を敷く際に無理な力がかかります。積水ハウスでは専用の治具(ジグ)を使って固定するため精度は高いですが、コンクリート流し込み時に作業員がぶつかって曲がってしまうことがあるため、打設後のチェックも重要です。
【構造工事】骨組みのボルトと金物を確認
「建方(たてかた)」と呼ばれる、家の骨組みを組み上げる工程です。ここでは鉄骨(イズ系)と木造(シャーウッド)で見るべきポイントが異なります。
鉄骨:ボルトの「マーキング」と防錆塗装
鉄骨住宅では、部材同士をつなぐボルトの締め付け管理が命です。ボルトの頭に白や黄色のペンで線が引かれているか(マーキング)を確認してください。これは「一次締め」と「本締め」が完了し、規定のトルク値で締まっていることの証明です。また、輸送中や作業中に鉄骨の塗装が剥がれた箇所がないか探し、もしあれば現場監督に報告してタッチアップ(補修塗装)を依頼しましょう。
木造:接合金物の固定状況と雨養生
シャーウッドの場合、独自の金物工法(MJ接合)が採用されています。柱と梁をつなぐ金物のピンがしっかり打ち込まれているか、ドリフトピンの打ち忘れがないかを確認します。また、上棟作業中に雨が降った場合、木材が濡れること自体はすぐに乾けば問題ありませんが、床合板などに水たまりができている場合は、速やかに拭き取るようお願いすることが大切です。
| 構造 | チェック項目 | 注意点 |
|---|---|---|
| 鉄骨造 | ボルトのマーキング | 全てのボルトに線があるか |
| 鉄骨造 | 鉄骨の傷・塗装剥がれ | 錆の原因になるため補修必須 |
| 木造 | 金物のピン打ち込み | 浮きや抜けがないか |
| 共通 | 現場の整理整頓 | 資材が雨ざらしになっていないか |
【内装工事】断熱材と配線の位置ズレ

石膏ボード(壁)を貼ってしまうと、中の状態は二度と見えません。家の快適性を左右する断熱材の施工状況は、施主が最も厳しくチェックすべきポイントです。
断熱材の「隙間」と防湿シートの「破れ」
壁や天井に入れられた断熱材(グラスウール等)が、隙間なくきれいに充填されているか確認します。押し込みすぎて潰れていたり、隙間があったりすると断熱性能が落ちます。また、室内側の防湿気密シート(ピンクや透明のビニール)が破れていないか、コンセントボックス周りの気密処理がテープで塞がれているかも重要です。ここが雑だと、壁内結露の原因になります。
スイッチ・コンセントの位置確認
電気配線が通された段階で、図面と照らし合わせてスイッチやコンセントの位置(高さ・場所)を確認します。「図面ではここだったけど、家具を置くと隠れてしまう」といった気付きがあれば、ボードを貼る前なら修正が間に合う可能性があります(※軽微な移動に限る)。壁ができてからでは修正に多額の費用と工期がかかります。
【施主検査】竣工立会いでの最終確認

引き渡し直前に行われる「施主検査(竣工検査)」は、傷や汚れのチェックだけではありません。住んでから「不具合」と言われないよう、機能面も確認します。
- 建具の動作:全てのドア、引き戸、収納扉を開け閉めし、異音や引っかかりがないか。
- 床鳴り:部屋の隅々まで歩き回り、ギシギシと音がする箇所がないか踏みしめる。
- 給排水:水を流してスムーズに流れるか、配管からの水漏れがないか(シンク下を目視)。
- 外壁・基礎の傷:足場解体時にぶつけた跡がないか、外周を一周してチェック。
現場訪問時のマナーと注意点
チェックは大切ですが、作業の邪魔をしては本末転倒です。職人さんと良好な関係を築くことも、良い家づくりには欠かせません。
事前連絡と安全配慮
いきなり訪問するのではなく、事前に現場監督や営業担当に「明日見に行ってもいいですか?」と連絡を入れるのがマナーです。危険な作業中を避けられますし、監督が立ち会って説明してくれる場合もあります。現場ではヘルメット(あれば)や汚れても良い服装で、足元に十分注意してください。
写真撮影の許可を得る
記録として写真を撮ることは推奨されますが、職人さんの顔が映り込まないように配慮し、一言「記録用に撮らせてください」と断りを入れましょう。SNSへのアップロードは、位置情報や図面の写り込みによるプライバシーリスクがあるため、引き渡し後まで控えるか、慎重に行う必要があります。
よくある質問(FAQ)
- 職人さんへの差し入れは必要ですか?
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義務ではありませんし、なくても手抜きされることはありません。ただ、冷たい飲み物やお菓子などを差し入れることでコミュニケーションが生まれ、「施主の顔が見える」ことで作業への責任感が増す効果は期待できます。
- 不具合を見つけたら、その場で職人に言っていいですか?
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直接職人さんに指示や指摘をするのは避けましょう。言った言わないのトラブルの元になります。気になる点があれば、必ず「現場監督」または「営業担当」を通して伝えるのが鉄則です。
- ホームインスペクター(第三者検査)を入れるべきですか?
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積水ハウスの社内検査は厳しいですが、それでも不安な場合は第三者機関を入れるのも一つの手です。ただし、費用(10万〜20万円程度)がかかることと、積水ハウス側とのスケジュール調整が必要になるため、契約前に相談しておくことをおすすめします。
まとめ
積水ハウスの現場は整理整頓されており、施工品質も安定しています。しかし、それでもミスがゼロになるわけではありません。施主が現場に足を運び、進捗を見守ることは、職人さんへの無言のエールであると同時に、最強の品質管理となります。
特に「隠れてしまう部分(基礎・構造・断熱)」は、写真に残しておくことで将来のリフォームやメンテナンス時にも役立ちます。遠慮せず、我が家が出来上がっていく過程を自分の目で確かめてください。
