「積水ハウスの家は地震に強いと言うけれど、具体的に何が違うの?」
「鉄骨と木造、地震対策として優秀なのはどっち?」
地震大国日本において、家の「耐震性」は最も優先すべきスペックの一つです。
多くのハウスメーカーが「耐震等級3」を謳っていますが、積水ハウスはその”根拠”となる「構造計算」のレベルが一般的とは異なります。
この記事では、積水ハウスが全棟で実施している構造計算の秘密と、鉄骨(イズ)・木造(シャーウッド)それぞれの耐震アプローチの違いについて解説します。
この記事でわかること
- 積水ハウスが「4号特例」を使わず全棟構造計算する理由
- 鉄骨造の制震システム「シーカス」の実力
- 木造シャーウッドが「ダンパーなし」でも強い理由
- 鉄骨と木造、耐震重視ならどちらを選ぶべきか
積水ハウスの耐震等級は「実質」最高ランク
まず結論から言うと、積水ハウスの住宅は、鉄骨・木造を問わず標準仕様で「耐震等級3(最高等級)」を取得可能です。
しかし、重要なのは等級そのものよりも、その等級を証明するための「計算方法」にあります。
全棟で「許容応力度計算」を実施
一般的な2階建て木造住宅では、「4号特例」という法律の例外規定により、詳細な構造計算(許容応力度計算)が免除され、簡易的なチェック(壁量計算など)だけで建てられることが多くあります。
しかし、積水ハウスはこの特例に甘んじることなく、全ての住宅(鉄骨・木造問わず)で、ビル建設などと同等の精密な「許容応力度計算」を実施しています。
「なんとなく大丈夫」ではなく、一本一本の柱や梁にかかる力を科学的に解析し、安全性を数値で証明している点が最大の特徴です。
【鉄骨】ダイナミックフレームと制震「シーカス」
積水ハウスの主力である鉄骨住宅(イズ・ステージ、イズ・ロイエなど)は、地震のエネルギーを「吸収」して逃す構造が特徴です。
独自制震システム「シーカス(SHEQAS)」
鉄骨住宅の最大のアドバンテージは、標準搭載(一部商品除く)される制震ダンパー「シーカス」です。
- 仕組み:特殊な高減衰ゴムが地震の振動エネルギーを熱エネルギーに変換して吸収。
- 効果:建物の変形量を約1/2に抑え、内外装の損傷(壁紙の破れなど)を最小限にする。
- 耐久性:繰り返す余震に強く、メンテナンスフリーで効果が持続する。
鉄骨の「強さ」とシーカスの「しなやかさ」を組み合わせることで、震度7クラスの地震が来ても、建物を「守る」だけでなく「使い続けられる」状態を維持します。
【木造】シャーウッドのモノコック構造

一方、木造住宅「シャーウッド」は、鉄骨とは異なるアプローチで地震に対抗します。
鉄骨が「揺れて力を逃す」のに対し、シャーウッドは「強固に固めて揺らさない」のが特徴です。
「MJ接合」による強靭な一体化
一般的な木造住宅の弱点は、木と木をつなぐ「接合部」です。
シャーウッドは、独自の「MJ(メタルジョイント)接合」システムを採用し、構造材を専用の金物でガッチリと緊結します。
- モノコック構造:床・壁・天井が一体となった箱のような構造を作り、地震の力を面全体で受け止める。
- 基礎直接接合:柱を基礎に直接アンカーボルトで引き寄せる独自工法で、柱が土台から抜けるのを防ぐ。
シャーウッドには基本的に「シーカス」のような制震ダンパーは搭載されません(オプションでの免震対応などはあり)。
しかし、構造体自体の剛性(変形のしにくさ)が極めて高いため、ダンパーなしでも耐震等級3を余裕でクリアする強度を持っています。
鉄骨と木造、耐震性能の比較まとめ
それぞれの耐震性能の特徴を比較表にまとめました。
| 項目 | 鉄骨(イズシリーズ等) | 木造(シャーウッド) |
|---|---|---|
| 基本構造 | ダイナミックフレーム・システム | シャーウッド構法(モノコック) |
| 地震への対応 | 制震(揺れを吸収) | 耐震(揺れに耐える) |
| 主要装備 | 制震ダンパー「シーカス」 | MJ接合・高強度集成材 |
| 揺れ方 | しなやかに揺れて力を逃す | ガッチリ固めて変形を防ぐ |
| 得意分野 | 繰り返す余震への耐久性 大開口リビング | 断熱性との両立 木の温かみ |
よくある質問
- シャーウッドに「シーカス」は付けられないのですか?
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付けられません。「シーカス」は鉄骨造の揺れ特性に合わせて開発された専用部品です。シャーウッドは構造自体が変形しにくい「剛構造」に近い作りになっているため、揺れ幅を前提とするダンパーよりも、構造体の強度そのもので耐える設計になっています。
- 耐震等級3はオプションですか?
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基本的には標準仕様でクリアできるように設計されますが、極端に壁が少ない間取りや大開口を多用する場合、計算上クリアするために補強が必要になることがあります。積水ハウスは全棟構造計算を行うため、設計段階で確実に等級3を満たすよう調整されます。
- 結局、地震に強いのはどっちですか?
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「倒壊しない」という点ではどちらも同等の最高ランクです。ただし、「繰り返しの地震」に対する安心感や、壁紙のひび割れリスク軽減という意味では、制震ダンパー「シーカス」を持つ鉄骨造に分があります。一方で、断熱性能を重視するなら木造が有利であり、総合的なバランスで選ぶのが正解です。
まとめ
積水ハウスの耐震性は、鉄骨・木造ともに業界トップクラスです。
その裏付けとなっているのは、コストがかかっても全棟で行う「許容応力度計算」という科学的な証明です。
選び方の基準としては以下を参考にしてください。
- 鉄骨(シーカス):「揺れ」そのものを抑えたい、巨大地震後の補修リスクを減らしたい方。
- 木造(シャーウッド):木の質感が好きで、かつ「計算された確実な強さ」も捨てられない方。
どちらを選んでも、積水ハウスなら「計算されていない不安」からは解放されます。
モデルハウスで構造模型を見比べながら、ご自身が安心できるタイプを選んでみてください。
