「頑丈な積水ハウスなら、高い火災保険や地震保険は必要ないのでは?」
鉄骨やシャーウッド(木造)で建てられた積水ハウスの住宅は、確かに災害に強い構造をしています。しかし、災害リスクは建物が倒壊するかどうかだけではありません。近隣火災のもらい火、台風による飛来物被害、そして予期せぬ水災など、リスクは多岐にわたります。
実は、積水ハウスのオーナーには、建物の性能ゆえに受けられる「保険料の優遇」や、グループ会社ならではの「特別な保険プラン」という選択肢があります。これらを賢く利用することで、保険料を抑えつつ手厚い補償を用意することが可能です。
この記事でわかること
- 積水ハウスオーナー限定「火災保険」を利用するメリットとデメリット
- 耐震等級3がもたらす地震保険料の「50%割引」効果
- 水災補償や家財保険をどうするか決めるための判断基準
- 万が一の被災時に修理と保険請求をスムーズに進めるコツ
積水ハウスオーナー限定保険と一般保険の違い
積水ハウスで契約を進めると、グループ会社である「積水ハウスフィナンシャルサービス」などが取り扱う火災保険の提案を受けます。これは一般の代理店で加入する場合と何が違うのでしょうか。まずは積水ハウスオーナーならではのメリットについて整理します。
団体扱割引による保険料の削減効果
最大のメリットは、積水ハウスグループのスケールメリットを活かした「団体扱割引」などが適用されるケースが多いことです。同じ補償内容であっても、個人で保険会社と契約するより割安になる場合があります。大手損保会社のパッケージでありながら、積水ハウス専用の割引率が適用されるため、まずはこの見積もりを基準(ベンチマーク)にして他社と比較するのが賢い進め方です。
| 比較項目 | オーナー限定保険 | 一般的なネット保険 |
|---|---|---|
| 保険料 | 団体割引で割安な傾向 | 条件次第で最安の可能性 |
| 手続き | 引き渡しに合わせてスムーズ | 自分で手配・管理が必要 |
| 事故対応 | カスタマーセンターと連携 | 保険会社と直接やり取り |
修理と保険請求の連携(ワンストップ対応)
保険料以上に重要なのが、実際に被害に遭った時の対応です。積水ハウス提携の保険に加入していると、カスタマーセンターに修理依頼をするだけで、保険請求に必要な写真撮影や見積書作成がスムーズに連携されます。一般的な保険会社の場合、「工務店に見積もりを取って、写真を撮って送ってください」と指示され、被災して大変な時に多くの手間が発生しますが、この負担が大幅に軽減される点は大きな安心材料です。
積水ハウスの建物性能が保険料に与える影響
火災保険や地震保険の金額は、建物の構造や性能によって大きく変動します。積水ハウスの住宅は、一般的な木造住宅と比較して保険料が安くなる傾向にあります。その理由となる構造級別や耐震等級について解説します。
「T構造」認定による火災保険料の安さ
火災保険の構造級別には、コンクリート造などの「M構造」、鉄骨や耐火建築物の「T構造」、一般的な木造の「H構造」があります。積水ハウスの住宅は、鉄骨造はもちろん、木造のシャーウッドであっても、耐火性能が高いため「T構造(耐火構造等)」に区分されるのが一般的です。H構造に比べて火災保険料が半額近くになるケースもあり、ランニングコストの面で非常に有利です。
耐震等級3で地震保険料が半額に
積水ハウスの住宅は、標準仕様で最高ランクの「耐震等級3」を取得しています。これにより、地震保険料に「耐震等級割引」が適用され、割引率は最大の50%となります。地震保険は国と損保会社が共同運営しているため、どの保険会社を選んでも基本料率は変わりませんが、この割引が適用されるかどうかで支払総額は数十万円単位で変わってきます。必ず証明書類を用意して割引を適用させましょう。
補償内容で迷わないための判断基準

保険料を抑えたいけれど、いざという時に補償が出ないのは困ります。積水ハウスのオーナーが特に迷いやすい「水災補償」と「家財保険」について、選ぶ際の基準を解説します。
水災補償はハザードマップと基礎高で判断
近年、台風やゲリラ豪雨による水害が増加しており、水災補償の重要性が高まっています。しかし、高台に建っている場合など、リスクが低いなら外すことで保険料を節約できます。判断の際は、自治体の「ハザードマップ」を確認し、浸水想定区域に入っているかを確認してください。また、積水ハウスは基礎が高めに設計されることが多いですが、床下浸水でも断熱材の交換などで多額の費用がかかるため、少しでもリスクがあるなら加入を推奨します。
家財保険は「再調達価額」で設定する
建物だけでなく、家具や家電、衣類を補償する「家財保険」も重要です。積水ハウスで家を建てる方は、インテリアにもこだわる傾向があり、家具の総額が高くなりがちです。保険金額を設定する際は、今ある家具の時価ではなく、全て新品で買い直した場合にかかる金額(再調達価額)で設定するのがポイントです。目安として、4人家族であれば1,000万円〜1,500万円程度を設定しておくと安心です。
| 家族構成 | 家財保険金額の目安 | 考慮すべき高額品 |
|---|---|---|
| 夫婦2人 | 500万〜800万円 | 大型家電、ソファ |
| 夫婦+子2人 | 1,000万〜1,500万円 | 子供用品、自転車 |
| 二世帯 | 1,500万〜2,000万円 | それぞれの世帯の家電 |
頑丈な家でも地震保険に入るべき理由

「積水ハウスは地震で倒壊しないから、地震保険は不要では?」という質問をよく耳にします。しかし、地震保険の目的は「建物の建て替え」だけではありません。被災後の「生活再建」が真の目的です。
全壊しなくても「一部損壊」のリスクはある
構造躯体が無事でも、巨大地震の揺れで外壁にクラック(ひび)が入ったり、エコキュートが転倒したり、室内のクロスが破れたりする被害は十分に考えられます。これらは火災保険では補償されず、地震保険の対象となります。修理費用だけでなく、一時的な仮住まい費用や、家財の買い替え費用に充てるためにも、地震保険は生活を守る命綱となります。
最大補償を目指すなら「上乗せ特約」を検討
通常の地震保険は、火災保険金額の50%までしか設定できません。これでは家を建て直すには不足します。より手厚い補償を求める場合は、保険会社独自の「地震危険補償特約(上乗せ特約)」を検討してください。これを付帯することで、地震による火災や倒壊に対し、最大で火災保険金額の100%まで補償を受けられるようになります。ローン残債が多い時期などは特に検討の価値があります。
よくある質問(FAQ)
- 積水ハウス提携以外の保険会社を選んでもいいですか?
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もちろん可能です。ネット型保険などを含めて比較し、より安く条件の良い保険があればそちらを選んでも問題ありません。ただし、何かあった時の連携のスムーズさは提携保険に分があるため、価格差と手間のバランスを考慮して決定してください。
- 保険期間は何年契約がおすすめですか?
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2022年10月以降、火災保険の契約期間は最長5年となりました。基本的には最長の「5年一括払い」が最も割引率が高くお得です。初期費用はかかりますが、毎年の更新手間もなくなり、保険料改定(値上げ)の影響も期間中は受けません。
- 引き渡しのいつ頃までに契約すればいいですか?
-
引き渡し日(鍵をもらう日)から補償を開始する必要があるため、その2週間前までには申し込み手続きを完了させておくのが理想です。検討自体は着工中から始め、建物の最終金額が確定した段階で本見積もりを取るとスムーズです。
まとめ
積水ハウスのオーナーにとって、火災保険選びは「建物の性能を正しく評価してもらい、適正な割引を受けること」がスタートラインです。提携保険の安心感と団体割引は大きな魅力ですが、補償内容(水災や家財)については、ご自身の立地やライフスタイルに合わせてカスタマイズすることが不可欠です。
「頑丈だから大丈夫」と過信せず、万が一の際に大切な我が家と家族の生活を元通りにできるだけの資金力を、保険という形で準備しておきましょう。
