積水ハウスで家を建てる際、最大の分岐点となるのが「鉄骨(イズシリーズ)」にするか「木造(シャーウッド)」にするかという選択です。
どちらも業界トップクラスの性能とデザイン性を誇りますが、構造の違いは住み心地や将来のメンテナンス計画に大きく影響します。
「頑丈な鉄骨こそ積水ハウスの真骨頂」という意見もあれば、「木の温もりと自由な設計はシャーウッドならでは」という声もあり、迷ってしまうのは当然のことです。
それぞれの特性を深く理解し、ライフスタイルに最適な工法を選ぶことが、理想の住まいへの第一歩となります。
この記事でわかること
- イズ・ロイエ(鉄骨)とシャーウッド(木造)の決定的な違い
- 外壁材「ダインコンクリート」と「ベルバーン」の比較
- 断熱性や耐震性など基本性能の優劣
- 実際の建築費用と将来的なメンテナンスコスト
構造と外壁に見る最大の違い
イズ・ロイエとシャーウッドを比較する上で、最も分かりやすい違いは「構造材」と、それに伴う「外壁材」の選択肢です。
家の外観イメージや、空間の作り方に直結する要素であるため、まずは両者の基本的なキャラクターを把握することが重要です。
それぞれの強みが、どのような暮らしを実現するのかを解説します。
イズ・ロイエ:鉄骨の強さとダインコンクリート
イズ・ロイエは、軽量鉄骨構造を採用した積水ハウスの主力商品です。
最大の特徴は、積水ハウスオリジナルの最高級外壁材「ダインコンクリート」を採用している点にあります。
厚さ50mmを超えるコンクリート外壁は、他メーカーには真似できない圧倒的な重厚感と彫りの深さを生み出します。
鉄骨ならではの強靭な構造体「ダイナミックフレーム・システム」により、柱や壁の少ない大空間リビングを実現できるのが魅力です。
シャーウッド:木造の柔軟性とベルバーン
一方のシャーウッドは、木造軸組工法を進化させた独自の構法で建てられます。
シャーウッドの象徴とも言えるのが、陶版外壁「ベルバーン」です。
焼き物(陶器)ならではの温かみのある質感と、半永久的に色あせない耐久性は、多くのファンを魅了してやみません。
木造特有の設計柔軟性を活かし、複雑な敷地形状への対応や、木の質感を現しにしたインテリアデザインを得意としています。
| 比較項目 | イズ・ロイエ(鉄骨) | シャーウッド(木造) |
|---|---|---|
| 構造材 | 軽量鉄骨 | 集成材(木造) |
| 専用外壁 | ダインコンクリート | ベルバーン(陶版外壁) |
| デザイン | 重厚・モダン・都会的 | 温かみ・邸宅感・自然的 |
断熱性と耐震性の徹底比較

長く安心して住み続けるためには、デザインだけでなく住宅としての基本性能が欠かせません。
一般的に「鉄骨は寒く、木造は地震に弱い」というイメージを持たれがちですが、積水ハウスの技術力はその常識を覆しています。
実際の性能差と、それぞれの工法が持つ特性について深掘りします。
断熱性は木造のシャーウッドが有利
物質としての熱伝導率(熱の伝えやすさ)を比較すると、鉄は木の数百倍も熱を伝えやすい性質があります。
積水ハウスでは鉄骨にも断熱補強を行っていますが、構造材そのものが断熱性を持つ木造(シャーウッド)の方が、冬場の冷え込みを感じにくい傾向にあります。
特に寒冷地や、足元の冷えを気にする方にとっては、シャーウッドの方が快適性を確保しやすいと言えます。
耐震性はどちらも最高等級を確保
耐震性に関しては、イズ・ロイエもシャーウッドも、標準仕様で耐震等級3(最高等級)をクリアしています。
イズ・ロイエは鉄の「粘り」で地震エネルギーを吸収する制震構造(シーカス)を標準装備しており、繰り返す揺れに強いのが特徴です。
シャーウッドも独自の金物接合により、従来の木造住宅とは一線を画す強度を実現しているため、耐震性で優劣をつける必要はありません。
| 性能 | イズ・ロイエ | シャーウッド |
|---|---|---|
| 断熱性 | 対策済みだが木造には劣る | 素材自体が断熱性を持つ |
| 耐震性 | シーカスで揺れを吸収 | 高強度金物で揺れに耐える |
| 遮音性 | 重量があり有利 | 床の遮音対策が必須 |
価格とメンテナンスコストの違い

契約時の建築費用(イニシャルコスト)だけでなく、住み始めてからかかる費用(ランニングコスト)も比較検討の重要な材料です。
坪単価の傾向や、外壁材のメンテナンス性の違いから、経済的な視点での選び方を解説します。
予算配分を考える上で、避けては通れないポイントです。
坪単価はイズ・ロイエがやや高い傾向
一般的な坪単価相場で比較すると、ダインコンクリートを採用するイズ・ロイエの方が、シャーウッドよりも若干高くなるケースが多いです。
イズ・ロイエの坪単価目安は80万〜120万円、シャーウッドは70万〜110万円程度とされています。
ただし、ベルバーンを全面採用したり、こだわりの内装を取り入れたりすれば、シャーウッドの方が高額になることも珍しくありません。
メンテナンス性は互角の勝負
外壁のメンテナンスに関しては、どちらも非常に優秀です。
ダインコンクリートの塗装は30年耐久を謳っており、ベルバーンに至っては焼き物であるため塗装の塗り替え自体が必要ありません。
ただし、目地(シーリング)の打ち替えはどちらも30年程度で必要になるため、長期的な維持費に大きな差は出にくいと考えられます。
- イズ・ロイエは基礎や鉄骨躯体にお金がかかる
- シャーウッドはベルバーン採用で価格が上がる
- どちらも30年間は大きな外装メンテが不要
よくある質問
- 鉄骨のイズ・ロイエは冬寒いですか?
-
一昔前の鉄骨住宅に比べれば格段に暖かくなっていますが、木造と比較すると床などが冷たく感じやすいのは事実です。寒がりな方は床暖房を入れるか、断熱性能が高い仕様(断熱グレードアップ)を選択することをおすすめします。
- シロアリ対策はどちらが安心ですか?
-
構造材が鉄であるイズ・ロイエの方がシロアリリスクは圧倒的に低いです。ただし、シャーウッドも土台や柱に防蟻処理が施されており、基礎パッキン工法などで湿気対策も徹底されているため、過度な心配は不要です。
- リフォームしやすいのはどっちですか?
-
将来的な間取り変更のしやすさは、木造のシャーウッドに分があります。鉄骨は構造上抜けない柱や壁(ブレース)の制限が厳しく、大掛かりなリノベーションには制約が出やすい傾向にあります。
まとめ
イズ・ロイエとシャーウッドは、どちらを選んでも高い満足度が得られる最高品質の住宅です。
最終的な決め手は、「ダインコンクリートの重厚感」を取るか、「木の温もりとベルバーンの質感」を取るかという、好みの問題になることが多いです。
- 重厚感と大空間を求めるならイズ・ロイエ
- 温かみと設計自由度を求めるならシャーウッド
- 価格差よりも好みの外壁材で選ぶのが正解
- 寒さ対策を重視するなら木造がやや有利
両方のモデルハウスを見学し、それぞれの空間に身を置いたときに感じる直感を大切にしてください。
