「積水ハウスの坪単価が高いのは知っているけれど、標準仕様でどこまで良いものが選べるの?」
「契約後にオプション費用が膨らんで予算オーバーになるのが怖い……」
人生で一番高い買い物であるマイホーム。契約のハンコを押す前に、標準の価格内でどのような設備や建材が選べるのかを把握しておくことは、資金計画を守るための防衛線となります。特に積水ハウスのようなハイクラスな住宅メーカーの場合、標準仕様のレベル自体が高いと言われていますが、その具体的な中身まで詳細に理解している施主は意外と少ないものです。
もし、標準仕様の範囲を誤解したまま契約を進めてしまうと、後の打ち合わせで「あれもこれもオプション」という事態に陥りかねません。逆に、標準仕様の質の高さを正しく理解していれば、無駄なアップグレードを避けて賢くコストダウンすることも可能です。
この記事でわかること
- 積水ハウスに明確な「標準仕様」が存在しない理由と仕組み
- キッチン・浴室・トイレで選べる人気メーカーとグレード感
- 積水ハウスの代名詞である外壁「ベルバーン」「ダインコンクリート」の特徴
- 契約前に知っておくべき仕様決めの注意点とコストダウンのコツ
積水ハウスの「標準仕様」という考え方
具体的な設備の話に入る前に、まず理解しておくべき前提があります。実は、積水ハウスには「これが標準です」と固定されたカタログのようなものは存在しません。オーダーメイドの「邸別自由設計」を掲げているため、顧客の予算や商品(鉄骨・木造)に合わせて提案されるベースのグレードが異なるからです。
しかし、多くの契約者が最初に提案される「標準的なライン」は確かに存在します。一般的に、積水ハウスの標準提案は、他の中堅ハウスメーカーの「ハイグレード」に相当する高品質なものが採用されています。そのため、基本的には「標準のままでも十分に豪華で機能的な家が建つ」と考えて差し支えありません。ここでは、多くの施主が採用している一般的な標準ラインについて深掘りしていきます。
| 項目 | 積水ハウスの特徴 | 一般的なメーカーとの違い |
|---|---|---|
| 選択肢の幅 | メーカーごとの積水ハウス専用モデル | 既製品のカタログから選択 |
| デザイン性 | 空間に馴染むノイズレスな設計 | 機能重視で見た目が画一的 |
| 基本性能 | 断熱や耐久性の基準値が高い | オプションで性能を上げる必要あり |
キッチン・水回りの標準仕様と人気メーカー

毎日使うキッチンや水回りは、生活の質に直結する重要なポイントです。積水ハウスでは、Panasonic、LIXIL、クリナップなどの大手メーカーから選ぶことができますが、一般向けの商品とは仕様が異なる「ビルダー向けモデル(ハウスメーカー専用品番)」が採用されるケースがほとんどです。
キッチン:パナソニック・リクシル・クリナップ
キッチンの標準仕様は非常にレベルが高いです。例えばPanasonicであれば「ラクシーナ」クラス、LIXILであれば「リシェル」や「ノクト」の要素を取り入れたモデル、クリナップであれば「ステディア」クラスがベースとなります。特筆すべきは、天板や扉のデザインが積水ハウスのインテリアに合うように調整されている点です。
食洗機については、浅型が標準となっている場合が多いです。深型(ディープタイプ)や海外製食洗機(ボッシュやミーレ)への変更は人気ですが、これらは数十万円単位のオプション費用がかかることが一般的です。料理好きの方は、標準のコンロや水栓の機能をどこまで許容できるか、ショールームで実機を触って確認することが欠かせません。
| メーカー | 特徴 | おすすめポイント |
|---|---|---|
| Panasonic | 横並び3口コンロ・家電との連携 | 使い勝手と機能性のバランスが良い |
| LIXIL | セラミックトップ・収納力 | 傷に強く高級感のあるデザイン |
| クリナップ | ステンレスキャビネット | カビや汚れに強く耐久性が高い |
浴室:積水ホームテクノが主流
浴室に関しては、積水ハウスグループである「積水ホームテクノ」の製品が標準提案されることが圧倒的に多いです。これは、積水ハウスの住宅寸法に完璧に合わせて設計されており、無駄な隙間がなく、防水性や保温性に優れているためです。デザインもシンプルでモダンなものが多く、ホテルライクな空間を演出しやすいのが特徴です。
もちろん、LIXILやTOTOなどの他社製品を選ぶことも可能ですが、積水ホームテクノの製品はコストパフォーマンスが非常に高く設定されています。他社製に変更すると、同等のグレードでも価格が跳ね上がることがあるため、こだわりがなければ標準の積水ホームテクノを採用するのが最も賢い選択と言えます。
床材・建具・内装の標準グレード

家の雰囲気を決定づける床材やドアなどの建具。ここにも積水ハウスならではのこだわりが詰まっています。展示場で見るような豪華な無垢床はオプションであることが多いですが、標準仕様の床材でも質感は非常に高く、安っぽさを感じることはまずありません。
床材:突板フローリングが高品質
標準で提案されることが多いのは、表面に天然木を薄くスライスして貼り付けた「突板(つきいた)フローリング」や、高耐久の「シートフローリング」です。特に積水ハウスのオリジナル床材は、木目の凹凸までリアルに再現されており、素足で歩いた時の心地よさにも定評があります。
人気が高い「挽板(ひきいた)」や「無垢材」はオプション扱いとなり、坪単価で数万円のアップとなります。しかし、LDKなどのメイン空間だけグレードを上げ、寝室や子供部屋は標準仕様にするという「張り分け」を行うことで、予算を抑えつつ理想のインテリアを実現する施主が多くいます。
建具・天井高:空間を広く見せる工夫
積水ハウスの大きな魅力の一つが、天井の高さです。標準で2500mm〜2700mm(商品による)という開放的な高さを確保できます。さらに、ドア(建具)に関しても、天井まで届く「フルハイトドア」が採用されることが多く、下がり壁がないため空間が非常に広く見えます。
一般的な住宅のドア高は2000mm程度ですが、積水ハウスの標準建具は2400mm前後のものが用意されています。この「高さ」は、後からリフォームで変更するのが難しい構造的な部分であるため、標準仕様でここまでの開放感が手に入るのは大きなメリットと言えるでしょう。
外壁・窓の標準仕様【ここが最強】

積水ハウスを選ぶ最大の理由とも言えるのが、圧倒的な存在感を放つ外壁材です。ここは他メーカーの追随を許さない独自技術の塊であり、標準仕様(商品の基本構成)として組み込まれていること自体が驚異的なスペックです。メンテナンスコストの観点からも、詳しく見ていきましょう。
鉄骨:ダインコンクリート
鉄骨住宅「イズ・シリーズ」の顔となるのが、最高級外壁材「ダインコンクリート」です。厚さ50mmを超える重厚感、彫りの深いデザイン、そしてコンクリートでありながら暖かみのある質感は唯一無二です。強度や耐火性が高いだけでなく、メンテナンスサイクルが30年と非常に長いため、将来的な塗り替え費用を大幅に節約できます。
木造:ベルバーン(陶版外壁)
木造住宅「シャーウッド」で絶大な人気を誇るのが、焼き物(陶器)でできた外壁「ベルバーン」です。お茶碗や壺と同じく、土を焼いて作られているため、紫外線による色あせが半永久的に起こりません。独特の温かみのある風合いは、年を経るごとに味わいを増していきます。「ベルバーンに惚れて積水ハウスにした」という人が後を絶たない傑作外壁です。
| 外壁材 | 対象商品 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| ダインコンクリート | 鉄骨(イズ・シリーズ) | 彫りが深く重厚・高耐久コンクリート |
| ベルバーン | 木造(シャーウッド) | 焼き物の質感・色褪せない耐久性 |
| エコルデック | 鉄骨(その他) | デザイン豊富・高強度サイディング |
よくある質問
- 標準仕様以外のメーカー(海外製など)を入れることはできますか?
-
はい、可能です。ミーレの食洗機やサンワカンパニーの洗面台など、標準提携外のメーカーも採用できます。ただし、その場合は「標準品との差額」ではなく「製品代+設置施工費」がまるごとかかるケースや、保証対象外になるケースがあるため、費用対効果の慎重な検討が必要です。
- 契約後に標準仕様が変わることはありますか?
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基本的には契約時の仕様が適用されますが、メーカーのモデルチェンジや廃盤により、同等品または後継品に変更されることがあります。契約から着工までの期間が長い場合は、最新の仕様について設計担当者に確認することをおすすめします。
- 標準仕様で満足できない部分はどこですか?
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個人差がありますが、「照明のスイッチ」「コンセントプレート」「タオル掛け」などの細かい部材は、標準だとプラスチック感のあるシンプルなものが採用されがちです。これらは数千円程度の追加でスタイリッシュなものに変更できるため、積極的にオプション採用することをおすすめします。
まとめ
積水ハウスの標準仕様は、住宅業界全体で見ても非常にハイレベルに設定されています。特に外壁や建具などの構造に関わる部分は、標準のままでも十分に満足できるクオリティです。要点を整理します。
- キッチン等は専用品番だがグレードは高い
- 浴室は積水ホームテクノがコスパ・品質ともに優秀
- ダインコンクリートやベルバーンは標準で採用可能
- こだわりたい場所だけオプションにする「メリハリ」が重要
大切なのは、「標準だから」と妥協することではなく、「標準が素晴らしいから、浮いた予算を他のこだわりに回せる」とポジティブに捉えることです。担当の設計士と相談しながら、標準仕様を賢く使いこなし、予算内で最高のマイホームを実現してください。
