積水ハウスで理想の住まいを計画する際、多くの施主が頭を悩ませるのが「オール電化にするか、ガス併用にするか」という選択です。「オール電化は光熱費が安い」と聞く一方で、「料理や暖房にはガスのパワーが欲しい」と考える人も少なくありません。特に最近は電気代の高騰もあり、どちらが長期的に見て経済的なのか判断が難しくなっています。
この選択を誤ると、毎月の支払いが予想以上に膨らんだり、入居後に「やっぱりあっちにしておけばよかった」と後悔したりする可能性があります。積水ハウスの高い断熱性能やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)仕様を最大限に活かすには、それぞれの特性を正しく理解し、自分のライフスタイルに合った設備を選ぶことが重要です。
この記事でわかること
- 積水ハウスにおけるオール電化とガス併用の光熱費シミュレーション差
- 初期費用とランニングコストをトータルで比較した損益分岐点
- 太陽光発電や「乾太くん」導入時の最適な設備選択の基準
- 積水ハウスオーナーが実際に選んで良かったと感じるポイント
積水ハウスのオール電化は本当に得?ガス併用と徹底比較
結論から言うと、ランニングコスト(毎月の光熱費)においてはオール電化に軍配が上がります。特に積水ハウスのような高気密・高断熱住宅では、熱を逃がしにくい構造のため、少ないエネルギーで快適な室温を維持できるからです。しかし、初期導入費用まで含めたトータルコストで考えると、単純に「オール電化が得」とは言い切れない側面もあります。それぞれのコスト構造を分解し、具体的な違いを比較します。
ランニングコストはオール電化に軍配
オール電化の最大の強みは、夜間の割安な電力を活用できる点です。エコキュートを使って夜間にお湯を沸かし貯めておくことで、給湯にかかるコストをガス給湯器の3分の1から4分の1程度に抑えられます。家庭のエネルギー消費のうち、給湯は約3割を占めるため、ここの節約効果は家計に直結します。
また、積水ハウスが得意とする「太陽光発電」との相性も抜群です。昼間に発電した電気を自家消費すれば、高い電気を買わずに済み、余った電気は売電に回せます。ガス併用の場合、ガスの基本料金と使用料が別途発生するため、どれだけ節電してもガスの請求書はなくなりません。毎月の固定費を圧縮したい場合、オール電化が有利な選択となります。
| 項目 | オール電化 | ガス併用(都市ガス) |
|---|---|---|
| 基本料金 | 電気のみ(一本化) | 電気+ガス(二重) |
| 給湯コスト | 安い(深夜電力活用) | 普通(使用量に比例) |
| 太陽光連携 | 非常に高い効果 | 電気代のみ削減 |
| 月額目安 | 約12,000円〜 | 約16,000円〜 |
初期費用はガス併用が有利
建築時のイニシャルコストに目を向けると、ガス併用の方が安く済む傾向があります。オール電化に必須となる「エコキュート」や「IHクッキングヒーター」は高機能な機器であり、ガス給湯器やガスコンロに比べて本体価格が高額です。積水ハウスの見積もり段階で、数十万円の差が出ることも珍しくありません。
特に予算が厳しく、建築費用を少しでも抑えたい場合は、ガス併用が魅力的な選択肢になります。ただし、都市ガスが通っていない地域でプロパンガス(LPガス)を選択せざるを得ない場合、プロパンガスの単価は非常に高いため、初期費用が安くても数年でランニングコストの差額が逆転する可能性があります。導入コストの安さだけに目を奪われず、10年、20年単位での総支払額を意識することが大切です。
「基本料金」の一本化が大きな差を生む理由
光熱費の節約において見落とされがちなのが「基本料金」の存在です。電気とガスを併用すると、それぞれの契約に対して基本料金が発生します。使用量がゼロでも毎月数千円の固定費がかかり続ける状態は、家計にとってボディブローのように効いてきます。
オール電化にすればガスの契約そのものが不要になり、基本料金を電気一本にまとめられます。この「基本料金のカット分」だけでも年間で約2〜3万円の差が生まれることがあります。さらに、積水ハウスの住宅は気密性が高く、熱効率が良いエネファーム(家庭用燃料電池)などの提案もありますが、機器代金が高額になりがちです。シンプルに基本料金を一本化する戦略は、確実なコストダウン手法と言えます。
積水ハウスオーナーが選ぶべきはどっち?メリット・デメリット整理

コスト面以外にも、生活の質や利便性に関わる重要な違いがあります。積水ハウスで実際に家を建てたオーナーたちが、どのような理由でオール電化、あるいはガス併用を選んだのか、それぞれのメリットとデメリットを整理して判断材料にします。災害時の対応や料理のこだわりなど、数字には表れない価値観も重要な決定要因です。
オール電化を選ぶメリット(太陽光・安全性)
オール電化の大きなメリットは「安全性」と「災害への強さ」です。火を使わないため火災のリスクが極めて低く、小さなお子様や高齢者がいる家庭でも安心して暮らせます。IHクッキングヒーターは天板がフラットで掃除がしやすく、キッチンを常に美しく保てる点も積水ハウスの上質なインテリアとマッチします。
また、災害時にライフラインが停止した際、電気はガスや水道よりも復旧が早い傾向にあります。エコキュートのタンク内には大量の水(お湯)が貯まっているため、断水時に非常用水として取り出せる点も安心材料です。積水ハウスが推進するZEH住宅では太陽光発電が標準的なため、停電時でも自立運転で電気を使える強みがあり、防災レジリエンスの高さが魅力です。
| 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 安全性 | 火災リスク減・空気キレイ | ペースメーカー等への配慮 |
| 災害時 | 復旧早い・タンク水利用可 | 停電で全ての機能停止 |
| 清掃性 | IHは拭くだけで完了 | 鍋振りができない |
| 静音性 | 深夜稼働も静か | 低周波音(個人差あり) |
ガス併用を選ぶメリット(料理・乾太くん)
ガス併用を選ぶ最大の理由は「火力」と「特定の設備」へのこだわりです。中華料理などで鍋を振って調理したい場合、IHでは満足できないことがあります。ガスコンロならではの直火による調理は、料理好きにとって譲れないポイントとなります。
さらに近年、圧倒的な人気を誇るのがガス衣類乾燥機「乾太くん」です。電気式乾燥機とは比べ物にならないスピードと仕上がりで、家事の時間を大幅に短縮できます。積水ハウスのオーナーでも「乾太くんを入れるためにガスを引いた」というケースは少なくありません。また、ガス温水式床暖房の立ち上がりの早さやパワーも、寒冷地などでは大きなメリットになります。
積水ハウスの「ZEH」仕様ならオール電化が最強なワケ
積水ハウスは「グリーンファースト」戦略としてZEHの普及に力を入れています。高断熱な躯体に太陽光発電を載せるこのスタイルにおいて、オール電化は理論上の最適解です。自家発電した電気を最大限に家庭内で消費し、エネルギーの自給自足率を高めることができるからです。
ガスを併用すると、せっかく発電した電気が余っても、ガスの消費分を相殺することはできません。ZEHの補助金申請やエネルギー計算においても、オール電化の方が有利になるケースが多くあります。積水ハウスの高性能な家づくりを最大限に活かし、環境負荷と光熱費の両方をミニマムにするなら、オール電化と太陽光発電の組み合わせが最も合理的と言えます。
実際の光熱費シミュレーション【4人家族・戸建て】

概念的な比較だけでなく、具体的な数字でのイメージを持つことが決断への近道です。ここでは、積水ハウスで一般的な延床面積(約35〜40坪)、4人家族(夫婦+子供2人)が暮らした場合の光熱費をシミュレーションします。地域や使用状況によって変動はありますが、目安として参考にしてください。
オール電化の場合の目安
オール電化住宅の場合、季節による変動はありますが、平均的な月額電気代は12,000円〜18,000円程度に収まることが多いです。春や秋の中間期は1万円を切ることも珍しくありませんが、冬場に暖房(エアコンや床暖房)をフル稼働させると2万円を超える月も出てきます。
深夜電力プランを上手く活用し、食洗機や洗濯乾燥機を夜間に回すなどの工夫をすれば、さらにコストを下げられます。また、太陽光発電(4〜5kW搭載)がある場合、自家消費分で電気代そのものが減る上、月数千円〜1万円程度の売電収入が得られるため、実質的な負担額は数千円レベルまで下がるケースもあります。
| 季節 | 電気代目安 | 太陽光売電益(想定) | 実質負担額 |
|---|---|---|---|
| 春・秋 | 10,000円 | +8,000円 | 2,000円 |
| 夏 | 14,000円 | +10,000円 | 4,000円 |
| 冬 | 22,000円 | +6,000円 | 16,000円 |
| 平均 | 15,300円 | +8,000円 | 7,300円 |
ガス併用(都市ガス・プロパン)の場合の目安
都市ガス併用の場合、電気代とガス代の合計は月額16,000円〜22,000円程度が目安です。内訳としては、電気代が8,000円〜12,000円、ガス代が6,000円〜10,000円ほどになります。冬場はお湯を作るためのガス消費量が増えるため、ガス代が跳ね上がります。
さらに注意が必要なのがプロパンガス(LPガス)の地域です。プロパンガスは都市ガスの1.5倍〜2倍の料金設定になることが多く、冬場のガス代だけで2万円近くになることもあります。この場合、光熱費の合計が3万円を超えるケースも出てくるため、プロパン地域であればオール電化を強く推奨する理由となります。土地探しの段階でガスの種類を確認することが不可欠です。
後悔しないための判断基準チェックリスト

最終的にどちらを選ぶべきか迷っている方のために、ライフスタイルや優先順位に基づいた判断基準を用意しました。自分たちの生活スタイルに当てはまる項目が多い方を選ぶことで、入居後のミスマッチを防ぐことができます。日々の快適さと経済性のバランスを見極めるヒントにしてください。
ライフスタイル別のおすすめ診断
以下のチェックリストで、当てはまる数が多い方を検討してみてください。
【オール電化がおすすめな人】
- 太陽光発電を4kW以上搭載する予定がある
- 光熱費の管理を一本化し、固定費を下げたい
- 火の不始末が心配で安全性を最優先したい
- 建設予定地がプロパンガス(LPガス)エリアである
【ガス併用がおすすめな人】
- ガス衣類乾燥機「乾太くん」を絶対に導入したい
- 料理は高火力のガスコンロで作りたい
- ガス式床暖房のパワフルな暖かさが好き
- 初期費用(建築コスト)をできるだけ抑えたい
「乾太くん」を入れたい場合の最適解
「オール電化の経済性は捨てがたいが、乾太くんだけはどうしても入れたい」という悩みを持つ施主は非常に多いです。この場合、「オール電化+乾太くん(プロパンガス契約)」という裏技的な選択肢もありますが、乾太くんだけのためにガスの基本料金を払うのは割高になります。
積水ハウスでの現実的な解としては、乾太くんを優先するなら、キッチンや給湯もガスにして「ガス併用住宅」として最適化することをお勧めします。その代わり、エネファーム(家庭用燃料電池)を採用して発電することで電気代を抑える、あるいは太陽光発電も載せて「電気とガスのいいとこ取り」を狙うダブル発電スタイルが有効です。初期投資はかかりますが、快適性と省エネを高い次元で両立できます。
よくある質問
- お湯切れやお風呂の水圧が心配ですが大丈夫ですか?
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最近のエコキュートは学習機能が優秀で、過去の使用量から必要なお湯を自動で沸き増しするため、お湯切れのリスクは低いです。また、積水ハウスでは高圧タイプのエコキュートを標準提案することが多く、2階のお風呂やシャワーでもガス給湯器と遜色ない水圧で使用できます。
- 停電したら何も使えなくなるのが怖いです。
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停電時はIHや給湯器は使えなくなりますが、エコキュートのタンク内のお湯は非常用水栓から取り出して生活用水として使えます。また、太陽光発電と蓄電池をセットで導入していれば、停電時でも特定のコンセントや照明が使えるため、むしろガス併用住宅よりも災害時の生活維持能力は高くなります。
- 将来ガスを使いたくなったらリフォームできますか?
-
技術的には可能ですが、オール電化で建築した場合、ガスの配管が敷地内に引き込まれていないことが大半です。後からガスを引くには、道路からの引き込み工事や壁への穴あけなど大掛かりな工事が必要となり、数十万円以上の高額な費用がかかります。新築時に慎重に決めることが肝心です。
まとめ
積水ハウスの高性能な住宅において、オール電化かガス併用かの選択は、単なる光熱費の比較だけでなく、理想のライフスタイルを実現するための重要な分岐点です。経済性を重視するなら、太陽光発電と連携したオール電化が最もコストパフォーマンスに優れています。一方で、料理や家事の効率を最優先し、乾太くんなどを導入したい場合はガス併用が満足度の高い選択となります。
大切なのは、今の生活だけでなく、子供の成長や老後の生活まで見据えてシミュレーションすることです。プロパンガスの地域かどうか、太陽光を載せるかどうかといった条件も加味しながら、家族にとって「何が一番の贅沢か」を話し合ってみてください。積水ハウスならではの快適さを損なわない、納得のいく選択ができるはずです。
