家づくりにおいて、壁紙よりもキッチンよりも、実は満足度に直結するのが「床材」です。なぜなら、家の中にいる限り、足の裏はずっと床に触れているからです。
積水ハウスでは、メンテナンス性に優れた「シート床」から、標準仕様の「突板(つきいた)」、高級感あふれる「挽板(ひきいた)」、そして本物の「無垢(ムク)」まで、様々なグレードの床材を選ぶことができます。しかし、カタログや小さなサンプルだけでは、「数 十万円の差額を払ってまでグレードアップする価値があるのか?」判断するのは難しいものです。
この記事でわかること
- 「シート・突板・挽板・無垢」の構造的な違いとメリット・デメリット
- 積水ハウスオーナーに一番人気の「挽板(ライブナチュラルプレミアム)」の魅力
- 傷、メンテナンス、床暖房対応など、生活目線での実用性比較
- 予算を抑えつつ満足度を上げるための「張り分け」テクニック
4つの床材グレード|構造と特徴の決定的な違い
まず理解しておきたいのは、積水ハウスで提案される床材は大きく分けて4つのグレードがあるということです。特に「突板(標準)」と「挽板(アップグレード)」の違いは、見た目以上に質感に大きな差を生みます。
| 種類 | 表面の木の厚み | 質感・特徴 | 積水ハウスでの位置づけ |
|---|---|---|---|
| シート | 0mm(プリント) | 傷に強く手入れ不要だが、冷たく人工的 | 賃貸・コストダウン用 |
| 突板(つきいた) | 0.2mm〜0.3mm | 見た目は木だが、触感は硬質。傷に強い | 【標準仕様】 ライブナチュラルなど |
| 挽板(ひきいた) | 2mm〜3mm | 無垢のような質感+床暖房OK | 【人気OP】 ライブナチュラルプレミアムなど |
| 無垢(ムク) | 100%(丸太) | 経年変化が美しいが、隙間や反りが出やすい | こだわり派のOP |
シートフローリング|最強のメンテナンス性
シートフローリングは、合板のベースに木目模様を印刷した「オレフィンシート」などを貼り付けた床材です。本物の木ではありません。
メリット:傷と水に圧倒的に強い
最大のメリットは耐久性です。キャスター付きの椅子を転がしても、おもちゃを落としても、ほとんど傷がつきません。また、水や油汚れにも強いため、トイレや洗面所などの水回りに採用するケースが非常に多いです。ワックス掛けも一切不要で、共働き家庭には強い味方です。
デメリット:どうしても漂う「作り物感」
最近のプリント技術は向上していますが、やはり本物の木と比べると「のっぺり」としており、光の反射が人工的です。また、冬場は表面がヒヤッとするため、リビングなどのくつろぐ場所に使用すると、少し安っぽい印象を与えてしまう可能性があります。
突板(つきいた)|積水ハウスの「標準」の実力

積水ハウスの多くの商品で標準仕様となっているのが、この「突板」です。代表的な商品は朝日ウッドテックの「ライブナチュラル(スタンダード)」です。
0.3mmの天然木が生むコストパフォーマンス
突板は、天然木を紙のように薄く(約0.3mm)スライスしたものを合板に貼り付けています。表面は本物の木なので、シートのような人工的なテカリはありません。薄い分、木の伸縮が少ないため寸法が安定しており、メンテナンスも楽です。
注意点:傷がつくと下の合板が見える
表面の木が非常に薄いため、深い傷がつくと下の合板(ベニヤ)が見えてしまうことがあります。また、コーティングが厚めにかかっていることが多く、素足で触れた時の「木の温もり」は、後述する挽板や無垢には劣ります。
挽板(ひきいた)|採用率No.1の「いいとこ取り」

今、積水ハウスのオーナー様の間で最も人気があり、満足度が高いのが「挽板」です。特に朝日ウッドテックの「ライブナチュラルプレミアム」は、指名買いされるほどの人気を誇ります。
無垢の質感 × 複合フローリングの機能性
挽板は、天然木を厚み2mm程度に鋸(のこ)で挽いた板を表面に貼っています。たった2mmと思うかもしれませんが、この厚みがあると、見た目も踏み心地も「ほぼ無垢」と同じになります。木目の彫りが深く、光が当たった時の陰影が美しいのが特徴です。
床暖房対応で隙間も空かない
無垢材の最大の弱点である「床暖房による反りや隙間」を、下の合板ベースが抑え込んでくれるため、床暖房を使いながら無垢の質感を楽しめます。LDK(リビング・ダイニング・キッチン)だけでも標準の突板から挽板にアップグレードする(差額目安:LDK20畳で約15〜30万円程度)ことで、家のグレード感が一気に上がります。
無垢(ムク)|本物を愛する人のための選択

一本の丸太から切り出した、正真正銘の天然木です。オーク、ウォルナット、チークなどが人気です。
経年変化という最大の贅沢
無垢材は呼吸をしており、年数が経つにつれて色が深まり、艶が出てきます。傷がついても、それすら「味わい」になるのが無垢の魅力です。調湿作用があり、夏はサラッと、冬はほんのり暖かく感じます。
覚悟すべきメンテナンスと隙間
一方で、乾燥する冬場には木が縮んで隙間が空き、梅雨時には膨らみます。定期的なオイル塗装などのメンテナンスも必要です。また、床暖房対応の無垢材もありますが、種類が限られ、価格も非常に高額になります。
後悔しない選び方とコストダウン術
全ての部屋を最高グレードにする必要はありません。適材適所の「張り分け」が成功の鍵です。
- LDK・玄関ホール:お客様の目にも触れ、滞在時間が長い場所は「挽板」に投資する。ここにお金をかけるのが最もコスパが良いです。
- 寝室・子供部屋:標準の「突板」で十分。ベッドで隠れる面積も広く、子供が傷をつける可能性も高いため。
- トイレ・洗面所:水に強い「シート床」や「サニタリーフロア」を選択。デザイン性の高い石目調のシートも選べます。
よくある質問
- 挽板(ライブナチュラルプレミアム)は傷がつきやすいですか?
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表面は天然木なので、固い物を落とせば凹みますし、引きずれば傷はつきます。しかし、表面の木に厚みがあるため、多少の凹みなら目立ちにくいですし、補修屋さんによるリペアも可能です。突板のように「剥がれて下のベニヤが見える」という惨めな傷になりにくいのが特徴です。
- 犬を飼っていますが、どの床材が良いですか?
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通常のフローリングは犬にとって滑りやすく、股関節を痛める原因になります。積水ハウスでは、ペット用にコーティングされた滑りにくい「突板」や「シート」を提案可能です。もし挽板を使いたい場合は、入居後にフロアコーティング(ガラスコーティング等)を施すことで滑りを軽減できますが、木の質感は多少損なわれます。
- 無垢床でも床暖房は入れられますか?
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「床暖房対応」と明記された無垢材であれば可能です。ただし、熱による収縮に耐えられるよう特殊な加工がされているため、価格は通常の無垢材よりも高くなります。また、対応品であっても、冬場は多少の隙間(名刺1〜2枚分程度)が空くことは許容する必要があります。
まとめ
積水ハウスで家を建てるなら、予算が許す限りLDKだけでも「挽板(ライブナチュラルプレミアムなど)」を採用することを強くおすすめします。
毎日素足で歩いた時の心地よさ、ソファに座って床を眺めた時の重厚感は、数十万円の差額以上の価値を日々の生活にもたらしてくれます。逆に、個室や水回りは機能性を重視してコストダウンするなど、メリハリのある床材選びが、満足度の高い家づくりの秘訣です。
