積水ハウスの照明計画「適所適光」で後悔しない！おしゃれと快適を両立するコツ

「積水ハウスの展示場のような、雰囲気のある空間に憧れるけれど、実際の生活で暗くないか心配……」

「ダウンライトや間接照明の配置、提案されたままで本当に大丈夫？」

家づくりの中でも、図面上で最もイメージしにくいのが「照明計画（ライティング）」です。特に積水ハウスの提案は、単に部屋を明るくするだけでなく、光と影の陰影を楽しんだり、素材の質感を際立たせたりする高度なテクニックが盛り込まれています。そのため、一般的な感覚で「シーリングライトで部屋全体を明るく」と考えていると、そのギャップに戸惑うことも少なくありません。

照明計画の失敗は、「住んでみたら手元が暗くて作業しづらい」「スイッチの位置が悪くて毎日ストレス」といった形で、入居後の生活満足度を大きく下げてしまいます。しかし、いくつかの重要なポイントさえ押さえておけば、おしゃれさと快適さを両立させることは十分に可能です。

この記事でわかること

積水ハウス流「適所適光」を理解する

積水ハウスの照明計画の根底にあるのは、「部屋全体を均一に明るくする」のではなく、「必要な場所に必要なだけの光を配置する」という考え方です。これを「適所適光（てきしょてきこう）」と呼びます。まずは、この基本概念を理解することが、後悔しない計画への第一歩です。

天井をスッキリさせて空間を広く見せる

従来の家づくりでは、部屋の中央に大きなシーリングライトを設置するのが一般的でした。しかし、積水ハウスではダウンライト（天井埋め込み型）を分散配置したり、建築化照明（間接照明）を使ったりすることで、天井面をフラットに見せる手法を好みます。

天井にボコッとした器具がないだけで、視覚的なノイズが減り、部屋は驚くほど広く、洗練されて見えます。ただし、この手法は「壁や床に光を当てる」ことで明るさを感じる仕組みのため、白いクロスの反射率なども計算に入れる必要があります。設計士が提案するダウンライトの位置には、家具のレイアウトに基づいた明確な意図があることを知っておきましょう。

照明方式	特徴	積水ハウスでの採用傾向
シーリングライト	部屋全体を均一に照らす	子供部屋や納戸以外は少ない
ダウンライト	天井埋込ですっきり	LDKや廊下のメインとして多用
間接照明	壁や天井を照らす	リビングや寝室の雰囲気作りで人気

「暗さ」への不安は調光機能で解決

多くの施主が抱く最大の不安は「提案通りだと暗くないか？」という点です。確かに、リラックスするための「電球色（オレンジっぽい光）」は、勉強や読書には不向きな場合があります。そこで必須となるのが「調光・調色機能」です。

リビングやダイニングなど、多目的に使う場所の照明には、明るさを変えられる（調光）機能と、光の色を変えられる（調色）機能をつけたダウンライトを採用しましょう。これなら、夜のリラックスタイムは「暗めの電球色」、子供が宿題をする時は「明るい昼白色」といった使い分けが可能になり、機能性と雰囲気を両立できます。

よくある後悔ポイントと具体的な対策

どれだけおしゃれでも、使い勝手が悪ければ意味がありません。先輩施主たちが口を揃えて「失敗した」と嘆くポイントには、明確な傾向があります。これらを事前に潰しておくことで、住んでからのストレスを激減させることができます。

スイッチの位置と動線シミュレーション

「玄関からリビングに入り、荷物を置いてキッチンへ行く」。この一連の動作の中で、自然に手が届く位置にスイッチがあるかどうかが重要です。よくある失敗は、扉の裏側にスイッチが隠れてしまったり、リビングの奥まで行かないと電気が点けられなかったりするケースです。

特に積水ハウスの大空間LDKでは、入り口が複数ある場合が多いため、「3路スイッチ（2箇所でオンオフできる機能）」や「とったらリモコン（スイッチを取り外してリモコンとして使える）」を積極的に活用しましょう。図面の上に指を走らせて、朝起きてから寝るまでの自分の動きを徹底的にシミュレーションすることが成功の鍵です。

吹き抜け・高天井の電球交換問題

積水ハウスの代名詞とも言える「吹き抜け」や「高天井」。開放感は抜群ですが、照明器具の設置場所には注意が必要です。天井高が3mや5mになる場所にダウンライトを設置してしまうと、将来電球が切れた際、自分では交換できず、その都度業者に足場を組んでもらう必要が出てきます。

対策としては、高所の照明は「交換頻度が低い長寿命LED」を選ぶのはもちろんですが、そもそもメンテナンスが不要な位置（壁付けのブラケットライトや、梁の上に設置するスポットライト）で明るさを確保する設計にするのが賢明です。10年後、20年後のメンテナンスコストまで見越した配置を心がけましょう。

窓への映り込み（グレア）対策

夜、美しい庭を眺めようとしたら、窓ガラスに室内の照明が反射して何も見えない……。これもよくある失敗例です。特に大開口サッシ「クリアビューデザイン」を採用する場合、窓の近くに強いダウンライトを配置するのは避けましょう。

窓際は照明を控えめにするか、カーテンボックスに間接照明を仕込んで光を下に落とすなどの工夫をすることで、ガラスへの映り込みを防ぎ、内と外がつながるような広がりを感じることができます。

よくある質問

人感センサーはどこに採用すべきですか？

「玄関ホール」「トイレ」「廊下」「シューズクローク」への採用を強くおすすめします。これらは滞在時間が短く、スイッチ操作が面倒になりがちな場所です。特に荷物で手が塞がっている玄関や、消し忘れが多いトイレは、センサーにするだけで生活の快適度が格段に上がります。

パナソニックの「あかりプラン」は利用できますか？

はい、利用可能です。積水ハウスのIC（インテリアコーディネーター）経由で、照明メーカーのプロが作成したプランを出してもらうことができます。メーカープランは明るさを重視する傾向があるため、積水ハウスの雰囲気重視のプランと比較検討することで、自分好みのバランスを見つけやすくなります。

施主支給でおしゃれなペンダントライトをつけたいのですが。

可能です。ただし、引っ掛けシーリング（取付金具）だけを工事で設置してもらい、器具は引き渡し後に自分で取り付ける形が一般的です。ダイニングテーブルの上にペンダントライトを吊るす場合は、テーブルのサイズや位置が確定していないと中心がズレてしまうため、家具の配置図と合わせて慎重に決める必要があります。

まとめ

照明計画は、家の「雰囲気」と「使いやすさ」の両方を左右する重要な要素です。積水ハウスの提案力を活かしつつ、自分たちの生活スタイルに合わせた調整を行うことが成功への近道です。

図面だけでは明るさの感覚を掴むのは難しいものです。打ち合わせの際は、ショールームの照明シミュレーションルームを活用したり、似たような広さの実例見学会に足を運んだりして、体感値を養うことをおすすめします。納得のいく照明計画で、夜のリラックスタイムが待ち遠しくなるような素敵な住まいを実現してください。