積水ハウスで後悔しがちな高額オプション5選｜不要な設備を見極めて賢く減額

積水ハウスでの家づくりは、夢を詰め込む作業であると同時に、現実的な予算との戦いでもあります。打ち合わせが進む中で見積もりの金額に驚き、「何か削らなければ」と焦りを感じている方も多いのではないでしょうか。しかし、ただ安くするために必要なものまで削ってしまっては、住み心地を損なう原因になります。

大切なのは、実際の生活スタイルと照らし合わせて「自分たちには不要なもの」を見極めることです。多くのオーナーが「最初は欲しかったけれど、実際には使わなかった」「掃除が大変なだけだった」と感じている設備には共通点があります。これらを知ることで、賢くコストダウンし、本当に必要な部分に予算を回すことができます。

この記事でわかること

使用頻度とコストが見合わない構造・外観設備

家の構造や外観に関わる部分は、一度採用すると撤去や変更が大掛かりになるため、慎重な判断が求められます。「あって当たり前」という固定観念を捨て、実際の生活動線をシミュレーションすることで、数百万円単位のコストカットが可能になるケースも少なくありません。ここでは、多くのオーナーが採用を見送る、あるいは採用して後悔しがちな構造・外観オプションについて解説します。

広すぎるベランダ・バルコニー

理由	デメリット	代替案
洗濯物を外干ししない	掃除の手間が増える	室内干しスペース
防水工事コスト	10年ごとの防水メンテ費	庭での外干し

かつては必須とされたベランダですが、近年は乾燥機付き洗濯機や室内干しの普及により、その必要性が大きく問われています。洗濯物を外に干さない家庭にとって、ベランダは単なる「掃除が必要な屋外スペース」になりかねません。黄砂や花粉で汚れた床を掃除する手間は想像以上に負担となります。

また、ベランダを作ることで建築費用が上がるだけでなく、将来的な防水メンテナンス費用も発生します。雨漏りのリスク箇所を減らす意味でも、思い切って「ベランダなし」を選択するオーナーが増えています。布団を干すためだけであれば、窓枠に取り付けるタイプの手すりで十分代用可能です。

勝手口（キッチンの通用口）

理由	デメリット	代替案
ゴミ出しに使わない	断熱性能が落ちる	玄関からの動線確保
防犯上のリスク	冬場にキッチンが寒い	24時間ゴミ出し可の活用

ゴミ出しの動線として設置されることが多い勝手口ですが、実際には玄関から出した方が早いというケースが多々あります。特に、分別ゴミをキッチン内に保管できるスペースがあれば、わざわざ外に出る必要性が薄れます。加えて、勝手口は泥棒の侵入経路になりやすく、防犯面での不安材料となることも否めません。

さらに深刻なのが断熱性の低下です。どれほど高性能なドアを選んでも、壁に比べれば断熱性能は劣ります。冬場のキッチンが冷える原因となり、結露の掃除に追われることになりかねません。明確な使用目的がない限り、断熱とコストカットを優先して削減するのが賢明な判断です。

玄関の親子ドア

理由	デメリット	代替案
子扉を開ける機会がない	気密性が下がる	幅広の片開きドア
価格が割高	デザインの選択肢が減る	引き戸の検討

見栄えが良く、大型家具の搬入時に便利だと言われる親子ドアですが、日常生活で子扉を開けることはほぼありません。冷蔵庫やソファなどの大型家具も、通常の片開きドアで十分通ることがほとんどです。年に一度あるかないかのイベントのために、高額なオプション費用を支払うのはコストパフォーマンスが良いとは言えません。

また、開閉部分が増えるということは、それだけ隙間風が入るリスクや、気密性が低下する要因になります。見た目の重厚感を求めるのであれば、親子ドアにするよりも、デザイン性の高い幅広の片開きドアや、断熱性能の高い高機能ドアを選んだ方が、日々の快適性と満足度は向上します。

独立した客間（和室）

理由	デメリット	代替案
来客の頻度が低い	普段使いしにくい	リビング畳コーナー
物置化しやすい	建築コストの増大	近隣ホテルの利用

「両親が泊まりに来るかもしれない」という理由で作られる独立した和室や客間ですが、年間の稼働日数を冷静に計算する必要があります。年に数回の宿泊のために、数百万円かけて一部屋設けるのは非常に贅沢な投資です。結果として、普段は誰も使わない「開かずの間」か、洗濯物の一時置き場になってしまうケースが後を絶ちません。

最近では、リビングの一角に畳コーナーを設け、必要時にロールスクリーンで仕切るスタイルが主流です。これなら普段は子供の遊び場やお昼寝スペースとして活用でき、空間を無駄なく使えます。宿泊に関しては、近くのホテルを利用してもらう方が、お互いに気を使わずに済むという考え方も定着しつつあります。

実は使わなくなる？設備・機能の落とし穴

最新の住宅設備は魅力的ですが、機能が多すぎると使いこなせず、結局シンプルな機能しか使わないという現象が起こりがちです。故障時の修理費用や日々の手入れの手間を考えると、シンプルイズベストが正解であることは多々あります。ここでは、導入したものの「宝の持ち腐れ」になりやすい設備機能について見ていきます。

浴室テレビ

理由	デメリット	代替案
スマホ・タブレットで十分	画質や機能がすぐ古くなる	防水タブレット持ち込み
ゆっくり見る時間がない	故障時の交換費用が高い	Bluetoothスピーカー

お風呂で優雅にテレビ鑑賞という憧れはありますが、実際には入浴時間が短かったり、子供と一緒で見る余裕がなかったりと、活用頻度は意外と低いものです。何より、備え付けのテレビは家電製品であるため、10年もすれば故障のリスクが高まります。その際、壁に埋め込まれているため交換が大掛かりになり、費用も高額になります。

現代では防水機能付きのスマートフォンやタブレットを持ち込む方が、YouTubeや動画配信サービスなど好きなコンテンツを楽しめます。画質や機能もデバイスの方が圧倒的に進化が早いため、壁に固定してしまう設備は時代遅れになりやすいリスクを抱えています。

ミストサウナ

理由	デメリット	代替案
準備に時間がかかる	光熱費がかかる	銭湯やサウナに行く
カビの原因になる	使用後の乾燥運転が必須	高機能シャワーヘッド

自宅でエステ気分を味わえるミストサウナも、設置して後悔するランキングの上位常連です。最初の1ヶ月は物珍しさで使いますが、準備にかかる時間やランニングコスト、そして何より使用後の浴室乾燥の手間がネックとなり、次第に使わなくなっていきます。湿気がこもるため、カビ対策への意識も欠かせません。

サウナが好きなら、週末に専用施設に行った方が設備も充実しており、リラックス効果も高いでしょう。自宅のお風呂は日々の汚れを落とす場所と割り切り、高機能なシャワーヘッドなどに投資する方が、毎日手軽に使えて満足度が高い傾向にあります。

浅型のビルトイン食洗機

理由	デメリット	代替案
容量が中途半端	鍋やフライパンが入らない	深型（ディープ）タイプ
手洗いが結局必要	食器のセットがパズル状態	海外製大容量食洗機

システムキッチンの標準仕様として提案されることが多い浅型食洗機ですが、4人家族以上の場合、容量不足に悩まされることがほとんどです。大きな皿や調理器具が入らず、結局手洗いが必要になり、「これなら食洗機いらなかった」と感じる原因になります。食器を入れる際も工夫が必要で、その手間がストレスになります。

食洗機を導入するなら、絶対に深型（ディープタイプ）か、海外製の大容量タイプを選ぶべきです。「予算削減のために浅型にする」という選択は、最も中途半端な投資になりかねません。もし予算が厳しく深型が難しいのであれば、いっそ食洗機なしにして収納スペースを増やすという選択肢も検討に値します。

地味にストレス？収納・電気配線の失敗

細かい部分ですが、毎日の生活にボディブローのように効いてくるのが収納や電気配線の失敗です。「多ければ多いほどいい」と考えがちな収納やコンセントですが、位置や形状を誤ると、ただの無駄なスペースや障害物になってしまいます。ここでは、盲点になりがちな内装・電気設備の不要ポイントを整理します。

床下収納

理由	デメリット	代替案
出し入れが面倒	段差やきしみの原因	パントリーの設置
湿気がたまりやすい	上にマットを敷けない	吊り戸棚の活用

キッチンの点検口を兼ねて設置される床下収納ですが、日常的に使う食料品を入れる場所としては不向きです。屈んで重い蓋を開け閉めする動作は身体への負担が大きく、結局、賞味期限切れの保存食や、年に一度しか使わない土鍋の墓場と化してしまいます。また、枠の段差が埃を溜める原因にもなります。

最近の基礎断熱住宅では床下の環境も改善されていますが、それでもアクセスの悪さは変わりません。収納量を確保したいのであれば、床下ではなく壁面を使ったパントリーや、天井付近の吊り戸棚を充実させる方が、管理もしやすく家事効率が圧倒的に良くなります。

過剰な数のダウンライト

理由	デメリット	代替案
眩しすぎる	寝転んだ時に直視して辛い	間接照明・スタンド
位置を変えられない	交換費用がかかる	シーリングライト

スッキリとした天井を作るためにダウンライトを多用する傾向がありますが、配置を間違えると非常に住みにくい家になります。特に寝室やリビングのソファ上など、リラックスして上を見上げる場所にダウンライトがあると、光源が直接目に入り非常に眩しく感じます。数を増やしすぎて「明るすぎる」という失敗もよく聞かれます。

また、模様替えをしたくても照明の位置が固定されているため、家具の配置が制限されるというデメリットもあります。メインの照明はシーリングライトやペンダントライトにして位置調整を可能にし、ダウンライトは壁を照らす補助照明として使うなど、役割を明確に分けることが重要です。

床用コンセント（アップコンセント）

理由	デメリット	代替案
出っ張りが邪魔	埃が溜まりやすい	家具付随のコンセント
掃除機がかけにくい	足をぶつけるリスク	壁コンセントの増設

広いLDKの中央でホットプレートやパソコンを使うために設置される床用コンセントですが、使っていない時は床から飛び出した金属の塊になります。これが掃除機をかける際に非常に邪魔になり、また子供が走り回る際に足を引っ掛けて怪我をするリスクもあります。収納式であっても、微妙な段差は気になります。

ダイニングテーブルの下に設置する計画でも、テーブルを買い替えたり配置を変えたりした瞬間に、何もない床の真ん中にコンセントが残されることになります。最近ではポータブル電源も普及しているため、リスクを冒してまで床に穴を開ける必要性は低くなっています。

よくある質問

減額調整で一番効果が大きいのはどこですか？

最も金額に直結するのは「延床面積を減らすこと」です。使わない部屋や廊下、広すぎるベランダを削ることで、数十万〜百万円単位の減額が可能になります。次に効果的なのが、窓の数を減らすことです。

逆に絶対に削ってはいけない部分はありますか？

断熱材や窓の性能など、家の基本性能に関わる部分は削ると後悔します。また、耐震性に関わる構造部分も妥協すべきではありません。これらは後から変更がきかないため、最優先で予算を確保すべきです。

標準仕様からグレードダウンすることは可能ですか？

はい、可能です。例えばトイレのタンクレスをタンクありに変更したり、お風呂のグレードを下げたりすることで減額できます。ただし、積水ハウスの標準仕様はセット価格でお得になっている場合もあるため、個別に確認が必要です。

まとめ

積水ハウスでの家づくりにおいて、採用を見送ることで満足度が上がる可能性がある14のオプションと設備をご紹介しました。減額調整はネガティブな作業ではなく、自分たちの暮らしを研ぎ澄ませるポジティブな工程です。「みんなが付けているから」ではなく、「自分たちには必要ない」と自信を持って仕分けを行いましょう。

記事の要点まとめ