「営業担当が出してくれたシミュレーション通りに発電するの?」
「瓦一体型パネルは高いし、固定資産税がかかると聞いて迷っている」
積水ハウスで家を建てる際、ほぼ必ず提案されるのが太陽光発電。
特に積水ハウスが得意とする「瓦一体型ソーラーパネル」は見た目が美しい反面、初期費用が高額になりがちで、「本当に元が取れるのか」と不安になる施主様も多いです。
この記事では、積水ハウスの太陽光シミュレーションの信頼性と、カタログには載っていない「リアルな収支」、そしてこれからの時代に損をしないための考え方について解説します。
この記事でわかること
- 積水ハウスのシミュレーションは「辛め(保守的)」に出る傾向がある
- 瓦一体型パネル特有の「固定資産税」リスク
- 「売電」ではなく「自家消費」で元を取る計算式
- メンテナンス費用(パワコン交換)を忘れると赤字になる
積水ハウスのシミュレーション精度は?
結論から言うと、積水ハウス(および関連メーカー)が出す発電量シミュレーションは、「実測値よりもやや少なめ(保守的)」に出ることが多いと言われています。
これには理由があります。
「クレーム回避」のための安全マージン
天候は年によって変動するため、メーカー側は「シミュレーションより発電しなかった」というクレームを最も恐れます。
そのため、日照時間を過去の平均データより厳しく見積もったり、パネルの経年劣化や汚れによるロス(損失係数)を多めに計上したりする傾向があります。
実際のオーナー様の声を集計すると、「シミュレーション比 110%〜120%」の発電量を記録しているケースが多く、提示された数値は「最低ライン」と考えておいて良いでしょう。
注意点:近隣の「影」は考慮されているか
シミュレーションソフトだけでは読み取れないのが「近隣の建物や樹木の影」です。
特に冬場は太陽高度が低く、隣家の影が予想以上に伸びてパネルにかかることがあります。
この点だけは、営業担当や設計士に「冬至の時期の影の影響は考慮されていますか?」と個別に確認する必要があります。
「損しない」ために知っておくべき隠れコスト

「月々の電気代が安くなるから、ローンが増えても大丈夫」という説明には落とし穴があります。
シミュレーションに含まれていないことが多い「隠れコスト」を自分で計算に入れることが、損をしない第一歩です。
1. 瓦一体型パネルは「固定資産税」がかかる
一般的な「据え置き型(屋根の上に架台を載せるタイプ)」のソーラーパネルは、原則として固定資産税の対象外(または評価額が低い)です。
しかし、積水ハウスで採用率の高い「瓦一体型パネル」は、屋根建材の一部(家屋そのもの)とみなされ、固定資産税の課税対象になります。
パネルの搭載量にもよりますが、年間で数千円〜1万円程度の増税になる可能性があります。
10年、20年と積み重なると数万円〜十数万円の差になるため、このランニングコストを収支計画に織り込む必要があります。
2. パワーコンディショナの交換費用
ソーラーパネル自体は20〜30年持ちますが、電気を変換する「パワーコンディショナ(パワコン)」の寿命は10〜15年程度です。
交換には1台あたり15万〜20万円程度の費用がかかります。
30年間の運用を考えるなら、途中で1〜2回の交換費用(約30〜40万円)を予備費として積み立てておく必要があります。
これからの時代の「勝ちパターン」運用術

かつては「たくさん載せて、たくさん売る(売電)」が正解でしたが、売電価格(FIT価格)が下落した現在、戦略を変える必要があります。
「売る」より「使う」が圧倒的にお得
| 比較項目 | 単価の目安 |
|---|---|
| 電力会社に売る価格 | 約16円/kWh(年々下落) |
| 電力会社から買う価格 | 約30〜35円/kWh(燃料費調整額含む) |
今の時代は、電気を売るよりも「高い電気を買わないこと(自家消費)」による経済効果の方が2倍近く高いのです。
つまり、損をしないためのポイントは以下の通りです。
- 昼間にエコキュートを沸き上げる(おひさまエコキュート)
- 蓄電池を導入して、夜買う電気を減らす
- 電気自動車(EV)があるなら自宅で充電する
瓦一体型のメリットを「メンテナンス費」で回収する
「瓦一体型は高いし固定資産税もかかるから損」と思われがちですが、長期視点ではメリットもあります。
スレート屋根などの場合、10〜15年ごとに屋根の塗装メンテナンスが必要ですが、パネルが載っている部分は紫外線が当たらないため劣化しません。
また、瓦自体も陶器であれば塗装不要です。
「屋根の塗り替え費用(足場代込みで100万円〜)」が将来的に不要になると考えれば、初期費用の高さや固定資産税のデメリットを相殺できる可能性があります。
よくある質問
- 結局、何キロワット載せればいいですか?
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現在の一般的な家庭(4人家族・オール電化)であれば、最低でも「5kW〜6kW」は欲しいところです。これくらいあれば、普段の消費を賄いつつ、雨天時の蓄電分もある程度確保できます。予算が許せば、屋根に乗る最大量を載せるのが、単価(kWあたりの施工費)を下げるコツです。
- 後付けのほうが安いと聞きましたが?
-
確かにネットの格安業者などで後付けした方が初期費用は安くなります。しかし、積水ハウスの屋根に他社のビスを打つことで「屋根の防水保証」が切れるリスクがあります。新築時の保証と安心感を買うか、コストを取るかという選択になります。
- 北側の屋根にも載せるべきですか?
-
基本的にはおすすめしません。北面は発電効率が南面の60〜70%程度に落ちる上、近隣トラブル(反射光が北側の家の窓に入る)の原因になりやすいためです。シミュレーションでよほど良い数字が出ない限り、避けた方が無難です。
まとめ
積水ハウスの太陽光シミュレーションは信頼できる数値ですが、提示された「経済メリット」から以下のコストを差し引いて判断してください。
- 瓦一体型による固定資産税の増加分
- 15年後のパワコン交換費用
それでも、電気代高騰が続く現状では、「自家消費」をメインに運用すれば10〜15年程度で元が取れる可能性が高いです。
「儲ける」ためではなく、「将来の電気代上昇リスクをゼロにする」ための保険として導入するのが、最も精神衛生上良い考え方かもしれません。
