家づくりにおいて、リビングやキッチンに比べて後回しにされがちな「トイレ」。しかし、実は来客が一人になって家の細部までチェックできる唯一の場所であり、家族が毎日何度も使う最もプライベートな空間でもあります。「たかがトイレ」と侮っていると、入居後に「狭くて掃除がしにくい」「音がリビングに丸聞こえ」といった切実な後悔を生むことになります。
積水ハウスのトイレは、標準仕様でもTOTO、LIXIL、Panasonicの大手3社から選べる贅沢なラインナップですが、それぞれ「強み」と「弱点」があります。また、タンクレスにするか、手洗いカウンターをどうするかによって、必要な広さや予算も大きく変わってきます。
この記事でわかること
- 積水ハウスの標準トイレ(TOTO・LIXIL・Panasonic)の特徴比較
- 採用して満足度が高かった人気のトイレオプション
- 0.75畳と1畳どっちが良い?広さと間取りの失敗例
- 契約前に知っておくべき音問題や収納の対策
積水ハウスのトイレ標準仕様!3大メーカーの特徴を比較
積水ハウスでは、基本的にTOTO、LIXIL、Panasonicの3社からトイレを選ぶことができます。標準仕様(追加費用なし、または少額差額)で選べるモデルは、一般的に「タンクあり」または「ローシルエット(タンク一体型)」のタイプが多いですが、キャンペーンや契約時期によってはタンクレストイレが標準扱いになることもあります。
それぞれのメーカーが持つ独自技術と、選ぶべきポイントを整理しました。
TOTO:信頼性No.1の「きれい除菌水」と陶器品質
「トイレはやっぱりTOTO」と指名買いする施主が多い王者です。最大の特徴は、汚れが付きにくい「セフィオンテクト」加工の陶器と、強力な「トルネード洗浄」です。表面がナノレベルで滑らかなため、長年使っても黒ずみが付きにくく、ブラシ掃除の回数が激減します。
標準モデル(ZJシリーズなど)でも手洗いボウルが深く設計されており、水はねしにくいのが魅力です。上位モデルのネオレストを選べば、CMでおなじみの「きれい除菌水」機能が付き、ノズルや便器を自動で除菌してくれます。「機能性」と「清潔さ」を最優先するならTOTOで間違いありません。
| 特徴 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| セフィオンテクト | 100年使えると言われる耐久性 | 陶器なので重い |
| トルネード洗浄 | 少ない水でしっかり流す | 水流音が少し独特 |
| きれい除菌水 | 黒ずみリングの発生を抑制 | 標準モデルには付かない場合有 |
Panasonic:泡で洗う「アラウーノ」とお手入れの楽さ
家電メーカーならではの発想で作られたPanasonicの「アラウーノ」は、陶器ではなく「有機ガラス系新素材」を使用しています。水族館の水槽にも使われるこの素材は、水垢が固着しにくく、割れにくいのが特徴です。最大のアピールポイントは、流すたびに洗剤の泡で便器を洗う「激落ちバブル」です。
また、男性の立ち小便による尿ハネを受け止める「トリプル汚れガード」機能があり、床や壁への飛び散りを防ぎたい主婦層から絶大な支持を得ています。標準仕様でタンクレス風のデザインを採用できることが多く、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。
| 特徴 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 有機ガラス系素材 | 水垢が付きにくい | ブラシで強く擦ると傷つく |
| 激落ちバブル | 掃除の手間が減る | 専用洗剤の補充が必要 |
| スゴピカ素材 | 軽くてデザイン性が高い | 陶器の質感が好きな人には不向き |
LIXIL:100年クリーンの「アクアセラミック」とデザイン
LIXIL(INAX)のトイレは、TOTOとPanasonicの良いとこ取りをしたようなバランスの良さが魅力です。「アクアセラミック」という独自技術により、水垢も汚れも落としやすく、新品の輝きが100年続くを謳っています。TOTOのセフィオンテクトに対抗する強力な防汚技術です。
デザイン面では、コンパクトでスタイリッシュなモデルが多く、狭いトイレ空間でも圧迫感を与えません。また、便座が真上に持ち上がる「お掃除リフトアップ」機能は、隙間の汚れを拭き取るのに非常に便利で、掃除好きの施主から高く評価されています。
| 特徴 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| アクアセラミック | 水垢と汚物汚れ両方に強い | 研磨剤入りブラシはNG |
| リフトアップ | 隙間掃除が劇的に楽 | 手動操作が必要 |
| プレアス/サティス | デザインのバリエーション | グレードで機能差が大きい |
空間が変わる!積水ハウスで人気のトイレオプション

トイレは単なる排泄の場所ではなく、「ひと息つくリラックス空間」へと進化しています。標準仕様のままでも機能は十分ですが、少しのオプション追加でホテルのような上質な空間に仕立てることができます。積水ハウスの施主が実際に採用して満足度が高かったオプションを紹介します。
特に「見た目」と「掃除のしやすさ」を両立させるアイテムが人気です。
スティックリモコンで生活感を消す
トイレの壁に付く標準のリモコンは、大きなボタンと文字で使いやすい反面、どうしても「生活感」が出てしまいます。そこで人気なのが、TOTOやLIXILで選べる「スティックリモコン」です。シルバーの細長いバーのような形状で、壁に設置するだけで空間が一気にスタイリッシュになります。
数千円〜1万円程度の差額で変更できるため、コストパフォーマンス抜群の「映え」オプションです。ただし、流すボタンや細かい設定ボタンが上面や側面に配置されるため、高齢者や小さなお子様には少し使いにくい場合がある点だけ注意が必要です。
手洗いカウンターと自動水栓
タンクレストイレを採用する場合、必須となるのが「手洗い器」です。積水ハウスでは、収納付きの手洗いカウンターを壁面に設置するプランが人気です。配管を隠しながらトイレットペーパーや掃除道具を収納できるため、見た目もスッキリします。
ここで絶対にケチってはいけないのが「自動水栓(センサー式)」です。トイレ後の汚れた手でハンドルを触る必要がなく衛生的で、子供の水出しっぱなしも防げます。また、カウンター下の収納扉をプッシュオープン式にすれば、取っ手がなくなり、さらに掃除が楽になります。
| 手洗いタイプ | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 独立カウンター | 高級感・収納力がある | 場所を取る・費用増 |
| 埋め込み型 | 省スペース | 収納量が少ない |
| タンク手洗い | 無料・場所を取らない | 水はね・掃除が面倒 |
エコカラットと間接照明
トイレの壁紙選びは遊び心が許されるポイントですが、機能性壁材であるLIXILの「エコカラット」を採用する人が急増しています。エコカラットには調湿・脱臭効果があり、トイレ特有のアンモニア臭を軽減してくれます。アクセントとして壁の一面に貼るだけで、空気環境とインテリア性が同時に向上します。
合わせて検討したいのが「間接照明」です。積水ハウスの設計提案でよく見られる、手洗いカウンターの下や鏡の裏に仕込む照明は、夜中のトイレ利用時に眩しすぎず、落ち着いた雰囲気を演出してくれます。
狭い?暗い?トイレの間取りでありがちな失敗と対策

最新の設備を入れても、間取りそのものに問題があると快適性は損なわれます。図面上では気にならなかったのに、住んでみて初めて気づく「トイレの失敗」は後を絶ちません。ここでは、特に多い3つの後悔ポイントとその対策を解説します。
失敗しないためには、0.75畳か1畳かの選択が最初の分かれ道となります。
0.75畳(メーターモジュール)の狭さと手洗いの干渉
積水ハウスのメーターモジュールでは、トイレの標準サイズは「横幅約1m×奥行き約1.5m」の0.75畳サイズになることが多いです。これは一般的な尺モジュールの1畳トイレよりも横幅が広い(約10cm広い)ため、タンク付きトイレなら十分に広く感じます。
しかし、ここに「奥行きのある手洗いカウンター」を設置すると話が変わります。便器に座った時に膝の前に圧迫感が出たり、立ち上がる時に肩がカウンターに当たりそうになったりします。手洗いカウンターを設置するなら、奥行きを2m確保した1畳サイズにするか、埋め込み型のスリムな手洗い器を選ぶのが鉄則です。
| 広さ | 推奨プラン | 注意点 |
|---|---|---|
| 0.75畳(標準) | タンク付き or コーナー手洗い | 大型カウンターは狭い |
| 1畳(奥行2m) | 独立手洗いカウンター設置 | 廊下等の面積を圧迫 |
| 1.25畳以上 | 車椅子対応・豪華仕様 | 掃除範囲が広がる |
「音」の問題:リビングや寝室の隣は危険
間取りパズルの最後に余ったスペースにトイレを押し込んだ結果、リビングのテレビ裏や寝室の枕元にトイレが来てしまう配置は最悪です。「ジャー」という洗浄音は配管を通じて意外と響きますし、夜中に家族がトイレに行く音で目が覚めてしまうこともあります。
対策としては、居室とトイレの間に「クローゼット」や「廊下」を挟んで緩衝地帯を作ることです。どうしても隣接してしまう場合は、壁の中に遮音材(グラスウール)を充填したり、防音ドアを採用したりする工夫が必須です。積水ハウスの遮音配管は優秀ですが、過信は禁物です。
窓の有無と照明センサーの位置
最近は「トイレに窓はいらない」という選択が増えています。断熱性が下がる、掃除が面倒、防犯上の死角になるというのが理由ですが、窓なしにするなら照明計画と換気扇が重要になります。
よくある失敗が、人感センサー付き照明の「消灯時間」です。じっくりとトイレにこもっている間に勝手に電気が消えてしまい、暗闇の中で手を振って反応させる…という経験は誰にでもあります。これを防ぐために、「ほんのり点灯」機能付きの照明を選ぶか、センサーの位置を座っていても反応する場所に調整してもらいましょう。
よくある質問
- 1階と2階でトイレのグレードを変えるべきですか?
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多くの施主がそうしています。来客も使う1階はタンクレスで見栄えの良いものを、家族しか使わない2階は災害時の断水対策も兼ねてタンク付きの標準モデルにするのが定番のコストダウン術です。2階にも手洗い器を設けるか、洗面所を近くに配置する動線計画も忘れずに。
- トイレの床材は標準のフローリングでも大丈夫ですか?
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積水ハウスの標準フローリングも質は高いですが、アンモニアや強力な洗剤には弱いです。トイレ専用の床材(サニタリーフロア)や、大判のクッションフロア、またはフロアタイルに変更することをおすすめします。目地が少ない床材を選ぶと、拭き掃除が圧倒的に楽になります。
- 施主支給でトイレを安く入れることはできますか?
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積水ハウスの場合、トイレ本体の施主支給は保証や工事区分の関係で断られることが多いです。ただし、ペーパーホルダーやタオル掛けなどの小物は施主支給が可能なケースが多いので、Instagramで見つけたお気に入りの真鍮アクセサリーなどを付けたい場合は、早めに設計士に相談してください。
まとめ
積水ハウスのトイレ選びは、単なる設備の選定ではなく、「家族やゲストへの思いやり」を形にする作業です。
- 標準の3社(TOTO・LIXIL・Panasonic)それぞれの強みを理解して選ぶ
- 手洗いカウンターを付けるなら、トイレの広さは慎重に検討する
- スティックリモコンやエコカラットなど、コスパの良いオプションを活用する
- 音や視線の問題をクリアにするため、間取り配置にこだわる
毎日使う場所だからこそ、小さな不満が積み重ならないよう、機能性・デザイン・広さのバランスが取れたベストな選択をしてください。
